人間の免疫力は3歳までの腸内環境で決まる!?

人間の免疫力は3歳までの腸内環境で決まる!?

人間の健康と免疫力。その形成において、腸内環境が大きな影響を与えることが知られています。特に、幼少期、特に3歳までの腸内環境が、その後の免疫力の基盤を築く上で極めて重要であるとされています。本記事では、「人間の免疫力は3歳までの腸内環境で決まる」というテーマで、その理由とメカニズム、さらに腸内環境を整えるための方法について詳しく解説します。

腸内環境とは何か

腸内環境とは、腸内に存在する微生物のバランスや活動状態を指します。腸内には、約100兆個にも及ぶ腸内細菌が存在するとされていて、これらは腸内フローラや腸内細菌叢(そう)と呼ばれています。腸内フローラは、善玉菌、悪玉菌、そのどちらでもない中間の菌から構成されており、健康な腸内環境ではこれらのバランスが取れています。

3歳までの腸内環境が免疫力に与える影響

人間の免疫システムは、誕生直後から急速に発展し、特に3歳までの間に大きく成長します。この期間における腸内環境の状態が、その後の免疫力に大きな影響を及ぼすとされています。

腸内フローラの発展

出生時、赤ちゃんの腸内はほぼ無菌状態ですが、出産方法や母乳の摂取などによって、様々な菌が腸内に定着します。母乳には、腸内フローラのバランスを整えるためのオリゴ糖などが豊富に含まれており、これが赤ちゃんの腸内環境を健全に保つ助けとなります。生まれたばかりの赤ちゃんの口に入るものはお母さんの身体から生まれるものなので、お母さん自身の健康状態も良好であることが赤ちゃんにとっての健康と密接に関係しています。

免疫システムの訓練

幼少期において、腸内フローラは免疫システムの訓練場となります。腸内に存在する多様な微生物との相互作用を通じて、免疫細胞は「自己」と「非自己」を認識する能力を養い、病原体に対する適切な反応を学びます。この過程で得られた免疫記憶は、その後の健康維持に重要な役割を果たします。

バリア機能の発展

健康な腸内環境は、腸のバリア機能を強化します。腸の粘膜には、外部からの病原体や有害物質の侵入を防ぐ役割があり、腸内フローラのバランスが取れていると、このバリア機能が正常に働きます。3歳までに腸内環境が整っていると、このバリア機能が強固になり、その後の健康を支える効果が期待できます。

 

    腸内環境を整えるための方法

    3歳までの腸内環境を整えるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

    母乳育児

    母乳には、赤ちゃんの腸内フローラを整えるための栄養素が豊富に含まれています。特にオリゴ糖は、善玉菌の増殖を促進し、腸内のバランスを整える働きがあります。可能であれば、母乳育児を行うことが腸内環境の健全な発展に繋がることが期待されます。

    多様な食事

    離乳食の開始後は、多様な食材を取り入れたバランスの良い食事が重要です。特に、食物繊維や発酵食品は腸内フローラのバランスを整えるのに役立ちます。野菜、果物、全粒穀物などを積極的に摂取させることで、善玉菌の増殖を促進できます。ノンアルコールの甘酒などは、離乳食としても子供飲ませることができる発酵食品です。私たちも離乳食に少しづつ甘酒を飲ませてあげることおすすめしています。アルコールの入った酒粕甘酒などは勿論与えないでください!甘酒を与える時期は、離乳食後期を迎えた9ヶ月頃からで、おやつと同じくらいの量が目安です。最初は、お水などで2倍から3倍程度に薄めて与えてあげてください。

    適度な運動

    幼少期の適度な運動は、腸の蠕動運動を活発にし、腸内フローラのバランスを保つ助けとなります。遊びを通じて体を動かすことが、健康な腸内環境の維持に繋がります。また、公園などでの泥遊びなども自由にさせてあげてほしいと思います。土の中には土壌菌という菌が沢山存在しています。この土壌菌が体内で日和見菌という善玉菌の味方になってくれたりする働きを持っています。腸内環境が急速に作られようとしている子供の時期に、どれだけ多くの最近と触れ合えるかが大事になります。汚いから、汚れるからとあまり過度に心配をせず、見守ってあげてほしいと思います。

    抗生物質の使用に注意

    抗生物質は、腸内フローラを乱す原因となることがあります。必要な場合を除き、むやみに抗生物質を使用しないことが大切です。医師の指示に従い、適切な使用を心がけましょう。

      結論

      人間の免疫力は、その基盤が3歳までの腸内環境によって決まるとされています。健康な腸内環境は、免疫システムの発展や腸のバリア機能の強化に寄与し、その後の健康維持に重要な役割を果たします。母乳育児、多様な食事、適度な運動、抗生物質の適切な使用などを通じて、幼少期の腸内環境を整えることが、子供たちの将来の健康を支える鍵となりえます。

      人が100歳まで生きるとすると3歳までの腸内環境でその後の人生の免疫力につながると考えた場合、残り97年間に影響するわけです。(勿論、加齢によって免疫力は低下していきますので、状態を維持しているわけではありません。)そう考えると、3歳までにどれだけの細菌(良い菌)に触れ合うかが大切だということが分かるかと思います。どんな菌でも良いわけではなく、体に害を及ぼすような風邪やインフルエンザ、病原菌はもちろん避けた方がよいです。

      3歳までの期間は、子供の健康な発展にとって極めて重要な時期です。この時期における腸内環境の整備が、その後の免疫力を強化し、健康な生活を送るための土台となります。親としては、あまり衛生面を過度に意識して、除菌・抗菌にばかり注目するのではなく、強い身体になるように意識してあげることが、本当に意味で子供の将来に繋がるのだと思います。

      そして、なにより日々子供と接する、お母さん・お父さん自身が健康で強い身体であってほしいと心から願っています。

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