スープやリゾットを作ろうとしたらコンソメが切れていた。あるいは、市販の固形コンソメの原材料表示を見て「もう少し素材そのものの味で作れないかしら」と思ったことはありませんか。そんなとき頼りになるのが、麹(こうじ)の調味料です。米こうじと塩だけで仕込む塩こうじは、こうじ菌の酵素がつくる自然なうま味と塩味をあわせ持ち、コンソメの代わりに使える洋風だしのベースになります。この記事では、無添加でつくる洋風だしの考え方・基本レシピ・コンソメ何個ぶんかの置き換え目安・スープやリゾットへの使い方まで、沖縄の糀屋・仲宗根糀家が具体的にご紹介します。
目次
1. コンソメを麹調味料で代用できる理由(無添加でつくる洋風だし)
2. 市販コンソメと「麹の洋風だし」はここが違う(比較表)
3. コンソメの代用に使える麹調味料
4. 麹でつくる洋風スープの基本レシピ(コンソメ不使用)
5. コンソメ何個ぶん?置き換えの分量目安
6. スープだけじゃない・洋風麹だしの使い方
7. おいしく仕上げるコツ
8. 保存・作り置きの目安
9. よくある質問
コンソメを麹調味料で代用できる理由(無添加でつくる洋風だし)
そもそもコンソメとは、肉や野菜のうま味を煮出して塩で味を決めた洋風のだし(ブイヨン)のこと。家庭でよく使う固形・顆粒タイプは、そのうま味と塩味を手軽に足せるように作られた調味料です。つまりコンソメの正体は、ざっくり言えば「うま味+塩味」。ここが分かると、代用の道すじが見えてきます。
麹の調味料、とりわけ塩こうじは、まさにこの「うま味+塩味」を一本で持っています。塩こうじは、米こうじ・塩・水を合わせて発酵させた調味料。こうじ菌が生み出した酵素が、お米や食材のたんぱく質を少しずつほぐし、うま味成分であるアミノ酸(グルタミン酸など)に変えていきます。塩味だけでなく、奥行きのあるうま味が自然に生まれるのはこのためです。
麹の調味料がコンソメ代わりになる3つの理由
◆ うま味と塩味を一本で持つ:塩こうじは酵素がつくるアミノ酸のうま味と、塩の塩味をあわせ持ちます。だしの「土台」がそのまま作れます。
◆ 塩加減を自分で決められる:固形コンソメは1個あたりの塩分が決まっていますが、塩こうじなら入れる量を味を見ながら調整できます。
◆ 無添加で仕込める:仲宗根糀家の生塩こうじは米糀と食塩だけ。うま味調味料や酵母エキスに頼らず、素材のうま味で洋風だしを組み立てられます。
ここで一点だけ正直にお伝えすると、塩こうじそのものはどちらかといえば和の風味です。コンソメらしい「洋風の輪郭」を出すには、玉ねぎ・にんじん・セロリといった香味野菜やオリーブオイル、こしょうやローリエを合わせるのがコツ。塩こうじがうま味と塩味の土台を担い、香味野菜が洋風の香りを添える——この組み合わせが、無添加でつくる洋風だしの考え方です。
市販コンソメと「麹の洋風だし」はここが違う(比較表)
どちらが良い・悪いではなく、性格が違います。使い分けの参考に、一般的な違いを表にまとめました。
| 項目 | 市販の固形・顆粒コンソメ | 麹でつくる洋風だし |
|---|---|---|
| うま味の出し方 | 1個入れるだけで完成。手早く決まる | 酵素が生むうま味と香味野菜を組み立てる。ひと手間はかかる |
| 塩加減 | 1個あたりの塩分が決まっている | 入れる量で自分好みに調整できる |
| 原材料 | 食塩・うま味調味料・酵母エキス・油脂などを含むものが多い | 生塩こうじは米糀と食塩だけ。合わせる野菜・油も自分で選べる |
| 風味の方向 | はっきりした洋風のコク | やわらかく丸いうま味。和にも洋にもなじむ |
| 向いている場面 | とにかく手早く一皿を仕上げたいとき | 素材の味を生かしたいとき・原材料をシンプルにしたいとき |
※市販コンソメの原材料は商品によって異なります。詳しくはお手持ちの製品の表示をご確認ください。
コンソメの代用に使える麹調味料
洋風だしの土台に使える麹調味料を、役割ごとに整理します。まずは塩こうじ一つから始めれば十分。慣れてきたら組み合わせて表情を変えていきましょう。
- 塩こうじ(基本の土台):うま味と塩味を一本で持つので、コンソメ代用の主役。スープでもリゾットでも、まずはこれ一つで味が決まります。仲宗根糀家の生塩こうじは、火入れをしていない非加熱・無添加の塩こうじです。
- 醤油こうじ(コクと色を足したいとき):香ばしい和の深いうま味が加わります。ほんの少し落とすと、洋風スープに奥行きとほんのりした色づきが生まれます。
- 玉ねぎ麹(洋風のうま味を一気に):すりおろした玉ねぎを麹で仕込んだ調味料で、それ自体が「洋風だしの素」のような存在。コンソメ代用として相性抜群です。作り方は別記事でくわしく紹介しているので、そちらへどうぞ(この記事では深追いしません)。
- トマト麹(洋風の酸味とうま味を):トマトのグルタミン酸と麹のうま味が重なり、ミネストローネやスープパスタがぐっと本格的に。
この記事では、いちばん手に入りやすく応用の広い塩こうじを主役にレシピを組み立てます。玉ねぎ麹やトマト麹を持っている方は、塩こうじの一部を置き換えるイメージで加えると、より洋風らしく仕上がります。
麹でつくる洋風スープの基本レシピ(コンソメ不使用)
コンソメを使わず、塩こうじと香味野菜だけでつくる基本の洋風スープです。これができれば、あとは具を変えるだけで無限に応用できます。分量は目安なので、味を見ながら調整してください。
材料(2人分・目安)
- 玉ねぎ 1/2個
- にんじん 1/3本
- キャベツ(またはセロリ) 1〜2枚ぶん
- お好みで ベーコンやウインナー 適量
- オリーブオイル 小さじ1
- 水 400ml
- 塩こうじ 大さじ1〜1と1/2(味を見て調整)
- お好みで にんにく1片・ローリエ1枚・黒こしょう少々
作り方
- 野菜を切る:玉ねぎ・にんじん・キャベツを食べやすい大きさに切ります。にんにくはつぶすか薄切りに。
- 香味を出しながら炒める:鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱めの中火にかけ、香りが立ったら野菜(あればベーコン)を加えて軽く炒めます。ここで甘みと香りを引き出しておくと、コンソメなしでもコクが出ます。
- 煮る:水とローリエを加え、煮立ったら弱火にして、野菜がやわらかくなるまで10〜15分ほど煮ます。
- 仕上げに塩こうじを加える:火を弱めてから塩こうじ大さじ1を溶き入れ、味を見ます。塩けとうま味が足りなければ、少しずつ足して調整します。
- 味を調える:仕上げに黒こしょうをひとふり。お好みで醤油こうじを小さじ1ほど加えると、色と奥行きが増します。
ポイントは、塩こうじを最後のほうで加えること。長く煮立て続けるより、仕上げ近くで溶き入れたほうが、塩こうじならではのやわらかい風味が生きます。
コンソメ何個ぶん?置き換えの分量目安
「レシピにコンソメ1個と書いてあるけれど、塩こうじならどれくらい?」という疑問に、目安をまとめました。塩こうじの塩分は商品によって幅があるため、あくまで出発点として、必ず味を見て調整してください。
| レシピの表記 | 塩こうじの置き換え目安 | 水の量の目安 |
|---|---|---|
| 固形コンソメ 1個 | 塩こうじ 大さじ1弱〜1 | 水 250〜300ml |
| 顆粒コンソメ 小さじ1 | 塩こうじ 小さじ2〜大さじ1 | 水 200ml前後 |
コンソメには塩味だけでなく香味野菜や油脂のコクも含まれています。塩こうじだけだと「塩味は近いのに、どこか物足りない」と感じることがあるので、その差を香味野菜・オリーブオイル・こしょうで埋めるのがコツ。玉ねぎ麹やトマト麹があれば、塩こうじの一部をそれらに置き換えると、よりコンソメらしい満足感になります。
※塩分量は塩こうじの製品や好みで変わります。少なめから入れて、味を見ながら足していくと失敗しません。
スープだけじゃない・洋風麹だしの使い方
塩こうじの洋風だしは、コンソメが活躍する料理にほぼそのまま応用できます。ご家庭で取り入れやすい定番の使い方をご紹介します(分量はお好みに合わせて調整してください)。
- リゾット・雑炊:炒めたお米に水を少しずつ加えながら煮て、仕上げに塩こうじで味を決めます。チーズと相性がよく、うま味の余韻がやさしく残ります。
- ポトフ・野菜の煮込み:大きめに切った野菜とソーセージを塩こうじベースの汁でコトコト。素材の甘みが引き立ちます。
- ミネストローネ・トマトスープ:トマト缶やトマト麹を合わせると、うま味が二重に重なって本格的な味わいに。
- スープパスタ・スープごはん:多めに作った洋風だしをそのままパスタやごはんに。忙しい日の一皿が手早く決まります。
- 野菜の下味・炒め物:きのこや玉ねぎを炒めるとき、仕上げに塩こうじを少し。塩こうじは糖分を含み焦げやすいので、火を止める直前に加えるのがコツです。
塩こうじの基本の使い方をもっと知りたい方は、塩こうじの使い方ガイドもあわせてどうぞ。和洋どちらにも使える万能さが見えてきます。
おいしく仕上げるコツ
◆ 1. 香味野菜をよく炒める 玉ねぎやにんにくをじっくり炒めて甘みと香りを出しておくと、コンソメなしでもコクの土台ができます。ここが洋風らしさの決め手です。
◆ 2. 塩こうじは仕上げに加える 長く煮立てるより、味を調える段階で溶き入れたほうが、やわらかいうま味と風味が生きます。
◆ 3. 塩けは少なめから 塩こうじの塩分は製品や熟成で変わります。少なめに入れて味を見て、足りなければ足す。この順番なら塩辛くなりすぎません。
◆ 4. 油とこしょうで洋風の輪郭を オリーブオイルのコクと黒こしょうのキレを足すと、和のうま味がぐっと洋風に寄ります。
◆ 5. うま味を重ねる トマト・きのこ・昆布など、うま味を持つ素材を一つ加えると、重層的な味に。玉ねぎ麹やトマト麹を少し足すのも近道です。
複数の麹調味料を持っている方は、料理に合わせた使い分けも楽しみのひとつ。塩こうじ・醤油こうじ・甘こうじの役割の違いは、麹調味料の使い分けガイドで整理しています。
保存・作り置きの目安
洋風だしは多めに作って冷蔵・冷凍しておくと、忙しい日に重宝します。
- スープとして作った場合:粗熱を取り、清潔な容器に入れて冷蔵で2〜3日を目安に食べきるのがおすすめです。
- 冷凍する場合:具の入ったスープは小分けにして冷凍を。使うぶんだけ取り出せて便利です。
- 塩こうじそのものの保存:仲宗根糀家の生(非加熱)塩こうじは酵素を守るため、冷凍でお届けし、ご家庭でも冷凍庫で保存します。固く凍らないため、冷凍庫から出してそのまますくって使えます。なお、手作りの塩こうじの場合は、冷蔵庫で保存して早めに使い切るのが一般的です。
※保存期間は目安です。ご家庭の環境や衛生状態によって変わります。においや見た目に違和感があれば食べるのは控えましょう。
よくある質問
Q. 塩こうじだけでコンソメの代わりになりますか?
A. うま味と塩味の土台は塩こうじだけでも作れます。ただしコンソメには香味野菜や油脂のコクも含まれるため、玉ねぎ・にんにくなどの香味野菜やオリーブオイル、こしょうを合わせると、よりコンソメらしい満足感になります。
Q. コンソメ1個は塩こうじ何杯ぶんですか?
A. 目安は水250〜300mlに対して塩こうじ大さじ1弱〜1程度です。塩こうじの塩分は製品によって幅があるので、少なめから入れて味を見ながら調整すると失敗しません。
Q. 塩こうじはいつ入れるのがいいですか?
A. 仕上げのほうで溶き入れるのがおすすめです。長く煮立て続けるより、味を調える段階で加えたほうが、塩こうじならではのやわらかい風味が生きます。炒め物では焦げやすいので火を止める直前に。
Q. もっと洋風らしいコクを出すにはどうすればいいですか?
A. 香味野菜をよく炒めて甘みを引き出し、オリーブオイルとローリエ、黒こしょうを加えると洋風の輪郭が出ます。玉ねぎ麹やトマト麹を塩こうじと合わせると、うま味が重なってさらに本格的になります。
Q. 塩こうじの洋風だしは和食にも使えますか?
A. はい。塩こうじはもともと和にも洋にもなじむ調味料です。香味野菜やオイルを控えめにすれば、そのまま和風のすまし仕立てや炊き込みごはんの味つけにも使えます。使い回しの幅広さが、麹調味料の魅力です。
あわせて読みたい:玉ねぎ麹の作り方/トマト麹の作り方/塩こうじの使い方ガイド/麹調味料の使い分けガイド
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