「甘酒を家で作ってみたいけれど、なんだか難しそう」。そう思っていらっしゃる方は、きっと少なくないと思います。けれど米麹で作る甘酒は、ご家庭の炊飯器があれば、思いのほか気軽に楽しめます。この記事では、沖縄で黄麹(きこうじ)をつくり続けてきた仲宗根糀家が、教室でも実際にお伝えしている炊飯器での作り方を、分量から温度のコツまで丁寧にご紹介します。
1. 甘酒とは|米麹甘酒は砂糖不使用・ノンアル
甘酒には大きく分けて二つの種類があります。ひとつは酒粕(さけかす)から作るもの、もうひとつが米麹(こめこうじ)から作るものです。この記事でご紹介するのは、米麹で作る甘酒です。
米麹甘酒の最大の特徴は、砂糖を一切加えなくても自然な甘みが生まれること。これは、米麹の働きでお米のでんぷんがゆっくりと糖に変わるためです。やさしい甘さの正体は、この自然な変化にあります。
また、米麹甘酒はアルコールを含まないノンアルコール飲料です。お酒が苦手な方やお子さま、運転前の方でも安心して召し上がっていただけます。古くから日本各地で親しまれてきた、暮らしに寄り添う発酵食品のひとつです。
乾燥麹で作る甘酒も美味しいですが、やはり水分も旨みも詰まった生の米麹でつくる甘酒は格別です。ぜひ生の米麹で自家製甘酒を作ってみてください。
ポイント 米麹甘酒は「砂糖不使用」「ノンアルコール」。甘みはお米と米麹から自然に生まれます。
甘酒づくりに使う「生米こうじ」
2. 材料(作りやすい分量)
必要なものはとてもシンプル。ご家庭の炊飯器で作れます。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 米こうじ | 200g |
| お米 | 1合 |
| 水 | 200cc |
このほかに、温度をはかる温度計があると安心です。お米はやわらかめのおかゆに炊いて使います。
3. 炊飯器での甘酒の作り方
炊飯器の「保温」機能を使った、仲宗根糀家がお教えしている作り方です。
1 米こうじを、袋の上から両手のひらを使ってよくほぐします。
2 お米1合を、炊飯器でやわらかめのおかゆに炊きます。
3 炊き上がったおかゆに水200ccを加え、57度以下まで冷まします。
4 ほぐした米こうじを加えてよく混ぜ、表面をならします。
5 炊飯器の「保温」にして、57〜60度を保ちながら7時間発酵させます。フタは開け、布巾をかけておきます。
6 途中で何度かかき混ぜ、温度を58度前後で均一に保ちます。
7 好みの甘さになったら、冷まして清潔な容器に移します。
注意 炊飯器のフタを閉めたまま保温すると、温度が上がりすぎて甘みが出にくくなることがあります。フタは開けて布巾をかけ、57〜60度を保つようにしてください。
4. 失敗しないコツ|大切なのは温度管理
米麹甘酒づくりで、もっとも大切なのが温度管理です。コツをおさえれば、ぐっと失敗が減ります。
その一、米こうじを入れる前にしっかり冷ますこと。おかゆに水を加えたあと、57度以下まで冷ましてから米こうじを入れます。熱いまま入れると、甘みが出にくくなります。
その二、発酵中は57〜60度をキープすること。高すぎると甘みが出にくく、低すぎると傷みやすくなります。温度計でこまめに確認しましょう。
その三、途中でかき混ぜること。全体の温度を均一に保ち、ムラなく甘みを引き出すために、ときどき混ぜてあげてください。
その四、清潔な道具を使うこと。容器やスプーンを清潔にしておくと、すっきりとした仕上がりになります。
ポイント 甘酒づくりの要は「57〜60度を7時間キープ」。この温度帯で、お米の甘みがゆっくりと引き出されると言われています。
5. 保存方法とアレンジ
できあがった甘酒は、冷ましてから清潔な容器に移し、冷蔵庫で1週間ほど保存できます。すぐに使い切れない場合は、冷凍庫で3ヶ月ほど保存が可能です。
そのままでも、お好みで水やお湯で割っても。冷やして、寒い季節は温めて、豆乳で割って、スムージーに加えてと、楽しみ方はさまざまです。お料理ではお砂糖やみりんの代わりにもお使いいただけます。
ポイント 1週間を過ぎて少し酸味が出てきても、お料理にはそのままお使いいただけます(みりん・砂糖代わりに)。また、ブレンダーにかけて米粒をなくすと液状になり、より飲みやすくなります。
6. よくあるご質問
Q. 甘くなりませんでした。なぜでしょう。
A. もっとも多い原因は、温度が高すぎたことです。米こうじを入れる前に57度以下まで冷ますこと、発酵中も57〜60度を保つことを意識してみてください。低すぎても甘みが出にくくなります。
Q. 子どもが飲んでも大丈夫ですか。
A. 米麹甘酒はアルコールを含まないノンアルコール飲料ですので、お子さまにも楽しんでいただけます。気になる場合は、水で薄めてお出しするとよいでしょう。
Q. 米粒が残るのが気になります。
A. できあがった甘酒をブレンダーにかけると、米粒がなくなってなめらかな液状になり、飲み口がぐっとよくなります。お好みで試してみてください。
Q. 作るのが大変なときは、市販品でも楽しめますか。
A. もちろんです。ぬち(NUCHI)では、砂糖不使用の甘こうじをご用意しています。手作りの時間がとれないときや、まず味わってみたいという方は、市販のものから始めてみるのもおすすめです。


