「生塩麹」の「生」は、加熱処理(火入れ)をしていないことを意味します。原料が何かという話ではなく、「加熱処理済みの塩こうじ」との対比として使われる言葉です。非加熱のため酵素が生きた状態を保ち、風味もそのまま。仲宗根糀家では酒精(アルコール)も一切加えない完全無添加で仕上げ、酵素を守るため冷凍でお届けしています。
目次
1. 「生塩麹」の「生」が意味すること
2. 加熱処理済みの塩こうじとの違い
3. 発酵を止める方法と仲宗根糀家の完全無添加
4. 生塩麹の保存方法と使い切り期間
5. 料理への使い方
6. 仲宗根糀家の生塩こうじについて
「生塩麹」の「生」が意味すること
塩こうじを探していると、「生塩麹」「生塩こうじ」という表記を目にすることがあります。この「生」は、加熱処理(火入れ)をしていないという意味です。
誤解されやすいのですが、「生=原料が生の米糀から作る」という意味ではありません。乾燥糀を使った塩こうじであっても、加熱処理をしていなければ「生塩麹」と呼ぶことができます。また逆に、生米糀から作った塩こうじでも、加熱処理をすれば「生」とは呼べません。あくまで加熱処理をしたかどうかが「生」の定義です。
塩こうじの製造では、発酵がある程度進んだ段階で発酵を止める必要があります。そのときに加熱処理をしないでつくられたものが「生塩麹」です。加熱していないため、糀の酵素が生きた状態のまま保たれています。
加熱処理済みの塩こうじとの違い
市販の塩こうじには、流通・保存のしやすさのために加熱処理(火入れ)を施したものもあります。生塩麹との違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 生塩麹(非加熱) | 加熱処理済みの塩こうじ |
|---|---|---|
| 酵素の状態 | 生きた状態 | 熱で失活 |
| 風味 | 糀のふわっと甘い香りが豊か | 穏やかになる傾向 |
| 保存 | 要冷凍(または冷蔵) | 常温・冷蔵での長期保存が可能 |
| 添加物 | 無添加が多い(製品による) | 酒精を使う場合もある |
塩こうじに含まれる酵素はたんぱく質分解酵素(プロテアーゼ)やでんぷん分解酵素(アミラーゼ)など。肉や魚を柔らかくしたり、うま味を引き出したりするのはこれらの酵素のはたらきによるものと言われています。加熱処理をすると酵素は失活するため、生塩麹とは素材へのはたらきかけが異なります。
あわせて読みたい 塩こうじの保存期間・冷凍のコツについては塩麹の保存方法と保存期間もご参照ください。
発酵を止める方法と仲宗根糀家の完全無添加
塩こうじは発酵食品なので、製品化にあたり発酵の進みすぎを防ぐ必要があります。一般的な方法は次の2つです。
発酵を止める2つの方法
- 加熱処理(火入れ):熱を加えることで糀菌や酵素を失活させ、発酵を止める。常温・冷蔵での流通が可能になる
- 酒精(アルコール)添加:食品添加物の酒精を加えることで発酵を抑制する。加熱せずに発酵を止められるが、添加物となる
仲宗根糀家の生塩こうじは、加熱処理をしない(非加熱)うえに、酒精を含む添加物を一切使いません。これが「完全無添加」の意味するところです。添加物を使わずに発酵をコントロールするため、冷凍でお届けする方法を選んでいます。冷凍は不便の印ではなく、非加熱・無添加を守るための方法です。
生塩麹の保存方法と使い切り期間
冷凍保存が基本
仲宗根糀家の生塩こうじは冷凍でお届けし、冷凍庫での保存をお願いしています。非加熱・無添加のため、常温や長期の冷蔵保存には向きません。
凍ったまま使えます
冷凍と聞くと「カチカチに凍って使いにくそう」と思われるかもしれませんが、生塩こうじは固く凍らないのが特徴です。パウチ(袋)入りなので、冷凍庫から出してそのままスプーンですくっても、パウチから直接絞り出しても使えます。わざわざ解凍時間を設けなくても大丈夫です。
※開封後は早めにお使いいただくことをおすすめします。具体的な使い切り期間は商品パッケージの表示をご確認ください。
料理への使い方
生塩麹の使い方のポイントは、素材に漬けて酵素を働かせること。肉・魚・野菜それぞれに合わせた使い方があります。
肉・魚への漬け込み
鶏肉・豚肉・白身魚などに生塩麹を薄く塗り、冷蔵庫でしばらく漬け込むのが基本です。酵素がたんぱく質に作用することで、焼いたときにしっとり仕上がりやすくなります。漬け時間の目安は素材の厚みや種類によって変わるため、塩こうじの使い方ガイドも参考にしてみてください。
野菜・豆腐への活用
野菜に和えてさっと漬物のように仕上げたり、豆腐に塗って一晩おくと表面がなめらかになったりと、活用の幅は広いです。塩の代わりに使う感覚で、少量から試してみるのがおすすめです。
あわせて読みたい 塩麹を使った鶏肉レシピについては塩麹で鶏ハムを作る方法をどうぞ。
あわせて読みたい 魚への漬け込みについては塩麹で魚の漬け焼きもご参考に。
仲宗根糀家の生塩こうじについて
仲宗根糀家は沖縄県那覇市国場で糀・発酵食品をつくる発酵食品メーカーです。生塩こうじについて、わたしたちが大切にしていることをお伝えします。
仲宗根糀家の生塩こうじ 3つの特徴
- 非加熱:火入れ(加熱処理)をしていないため、酵素が生きた状態
- 酒精不使用・完全無添加:発酵を止めるための酒精(アルコール)を含む添加物を一切使わない
- 原料に生米糀を使用:乾燥させていない生の米糀を使って仕込んでいる。お米のふわっと甘い香りと風味がしっかり感じられ、酵素活性も強い傾向がある
3つ目の「生米糀を使う」という点について、少し補足します。
「生塩こうじ」の「生」はあくまで加熱処理をしていないという意味で、原料が生米糀かどうかとは別の話です。この2つの「生」は定義が異なりますが、仲宗根糀家の生塩こうじはどちらの意味でも「生」にあたります。非加熱かつ、原料にも乾燥させていない生米糀を使っている。これが仲宗根糀家の塩こうじのつくり方です。
生米糀は乾燥糀と比べてお米の水分と風味が残りやすく、酵素の力(力価)も強いと言われています。この生米糀で仕込んだ塩こうじを、非加熱・完全無添加のまま冷凍でお届けしています。
よくある質問
Q. 「生塩麹」と「塩麹」は別物ですか?
A. 「生塩麹」は加熱処理をしていない塩こうじのことで、塩こうじの一種です。市販品には加熱処理済みのものと非加熱(生)のものがあり、その違いを明示するために「生」という表記が使われます。
Q. 生塩麹はなぜ冷凍で届くのですか?
A. 非加熱・無添加のため、常温や長期の冷蔵では品質を保てません。仲宗根糀家では酒精(アルコール)も含む添加物を一切使わないため、酵素を守ったまま届けるために冷凍を選んでいます。固く凍らないのでそのまま使えます。
Q. 「生塩麹の生」は「生米糀から作る」という意味ですか?
A. いいえ、違います。「生塩麹」の「生」は加熱処理(火入れ)をしていないことを意味します。原料が生米糀かどうかとは別の概念です。仲宗根糀家では生米糀を原料に使ってもいますが、それは原料の話であり、「生塩こうじ=生米糀から作る」という説明は誤りですのでご注意ください。


