「焼き魚のレパートリーを増やしたい」「鮭の塩焼きがいつも同じ味になってしまう」という方へ。塩麹に漬けて焼くだけで、いつもの切り身がふっくらと、旨みの濃い一品に変わります。下処理から漬け時間、いちばんの難関である「焦げ」を防ぐ焼き方、西京漬け風の楽しみ方まで、沖縄で糀づくりを続ける仲宗根糀家がご紹介します。
目次
1. 塩麹の漬け焼きが美味しい理由
2. 基本の作り方(鮭の塩麹漬け焼き)
3. 漬け時間の目安(早見表)
4. 焦がさない焼き方(弱火・ホイル)
5. 西京漬け風の楽しみ方・献立の例
6. よくある質問
塩麹の漬け焼きが美味しい理由
塩麹は、米こうじ・塩・水を混ぜて発酵させた調味料です。こうじに含まれる酵素が魚のたんぱく質を旨み成分(アミノ酸)にゆっくり分解するため、漬けておくだけで味に深みが出ます。さらに塩分が身の水気を適度に引き締め、臭みもやわらぐので、焼き上がりはふっくら、上品な味わいになります。
沖縄の糀屋が無添加で仕込んだ「生塩こうじ」
ポイント 特売の切り身でも、漬けるだけでひと味変わるのが塩麹の漬け焼きの魅力です。
基本の作り方(鮭の塩麹漬け焼き)
材料(2人分)
- 生鮭の切り身:2切れ(約200g)
- 塩麹:大さじ1強(魚の重さの約10%が目安)
手順1 下処理(水気を拭く)
切り身の表面の水気をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります。ドリップ(解凍時に出る水分)が残っていると臭みのもとになるため、ここだけは丁寧に。骨が気になる場合は、この段階で抜いておくと食べやすくなります。
手順2 袋に入れて漬ける
保存袋かポリ袋に切り身を入れ、塩麹を加えて袋の上から軽くなじませます。空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫へ。少量の塩麹でも全体に行き渡るので、袋を使うと無駄がありません。
手順3 軽くぬぐって、弱火で焼く
表面の塩麹をキッチンペーパーで軽くぬぐってから、弱火でじっくり焼きます。焼き方のコツは下の章で詳しくご紹介します。
漬け時間の目安(早見表)
| 魚の種類 | 漬け時間の目安 |
|---|---|
| 鮭・サワラなど身のしっかりした切り身 | 30分〜半日 |
| タラ・タイなどやわらかい白身魚 | 15分〜1時間 |
| しっかり味を含ませたいとき | 一晩(8時間程度)まで |
注意 漬けすぎると身が崩れます
こうじの分解力は強いため、丸1日以上漬けると身が崩れやすくなります。長く漬けたい場合も一晩までを目安にしてください。
焦がさない焼き方(弱火・ホイルが合言葉)
塩麹にはこうじ由来の糖分が含まれるため、ふつうの塩鮭と同じ感覚で焼くと、表面だけが先に焦げてしまいます。次の3つを押さえれば失敗しません。
コツ1 焼く前に塩麹を軽くぬぐう
キッチンペーパーで軽くぬぐえば十分で、洗い流す必要はありません。味は身の中まで入っているので、表面のこうじを落としても物足りなくなることはありません。
コツ2 フライパンならクッキングシート+弱火
クッキングシートを敷き、皮目を下にして弱めの中火で3〜4分。焼き色がついたら裏返し、ふたをして弱火で3〜4分蒸し焼きにします。シートを敷くと皮がくっつかず、後片付けも簡単です。
コツ3 グリルならホイルをかぶせる
魚焼きグリルの場合は、アルミホイルをふんわりかぶせて中弱火で焼き、最後の1〜2分だけホイルを外して焼き色をつけます。トースターならホイルで包み焼きにすると、焦げ知らずでふっくら仕上がります。
西京漬け風の楽しみ方・献立の例
甘い漬け床が好きな方には、西京漬け風のアレンジがおすすめです。
- 塩麹大さじ2に、糀の糖(または、みりん・砂糖などの甘味)大さじ1を混ぜて漬け床にする
- サワラ・タラ・カジキなど淡白な魚を半日〜一晩漬ける
- 焼き方は同じく「ぬぐって、弱火・ホイル」で
当店の糀の糖は、米糀を煮詰めてつくった自然由来の甘味料で、砂糖やみりんの代わりに使えます。塩麹と合わせると、甘みと旨みのバランスがとれた漬け床になります。
漬け焼きを中心にした献立の例
魚を漬けている間に、もう一品も塩麹におまかせできます。
- 鮭の塩麹漬け焼き+きゅうりの塩麹浅漬け+豆腐とわかめの味噌汁
- 白身魚の西京漬け風+炊きたてごはん+青菜のおひたし
きゅうりや大根を塩麹で和えた浅漬けは10分ほどでできるので、魚を焼く前にさっと仕込んでおくと、食卓が一度にととのいます。
よくある質問
Q. 漬けたあとの塩麹は洗い流すの?
A. 洗い流さず、キッチンペーパーで軽くぬぐう程度で大丈夫です。水で洗うと旨みも一緒に流れてしまいます。
Q. どんな魚が向いている?
A. 鮭・サワラ・タラ・タイ・カジキなど、切り身で手に入る魚ならほとんど合います。サバなどの青魚も、塩麹に漬けると臭みがやわらいで食べやすくなります。
Q. 漬けたまま冷凍してもいい?
A. 漬けた状態のまま保存袋で冷凍する「下味冷凍」がおすすめです。冷蔵庫でゆっくり解凍する間に味がなじむので、平日は焼くだけで一品が完成します。
仲宗根糀家の「生塩こうじ」
国産米の米こうじと沖縄県産の海塩で仕込んだ、非加熱・無添加の生タイプ(280g)。冷凍でお届けしても凍らずやわらかいまま、スプーンですくってそのまま使えます。
生塩こうじを見てみるあわせて読みたい:塩こうじの使い方完全ガイド/塩麹鶏ハムの作り方
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