スーチカー(沖縄の塩豚)の作り方|塩麹で本格レシピ

スーチカー(沖縄の塩豚)の作り方|塩麹で本格レシピ

沖縄の家庭で受け継がれてきた保存食「スーチカー」。豚のかたまり肉を塩に漬け込んだ沖縄版の塩豚で、うま味がぎゅっと凝縮した味わいが魅力です。この保存食を、塩の代わりに塩麹(塩こうじ)で仕込むと、かどのないまろやかな塩気に仕上がると言われています。ここではスーチカーの作り方を、塩麹での漬け方から塩分量の目安、冷蔵・冷凍での保存、炒め・茹での食べ方まで、順を追ってわかりやすく紹介します。

スーチカー(沖縄の塩豚)とは

スーチカー(「すーちきー」とも呼びます)は、沖縄の言葉で「塩漬けした肉」を意味する保存食です。豚の三枚肉(バラ肉)を塩にしっかり漬け込み、冷蔵庫がなかった時代に肉を長く持たせるための知恵として、沖縄の各家庭で受け継がれてきました。ゆし豆腐を合わせたスープの具にしたり、薄く切って炒めたり、そのまま焼いて食べたりと、使い道が広いのが特徴です。冷蔵・冷凍が当たり前になった今も、塩漬けならではのうま味の濃さと使い勝手のよさから、家庭でもよく作られています。

基本の考え方はシンプルで、「豚のかたまり肉を塩でしっかり漬けて、水分を抜きながらうま味を凝縮させる」というもの。その塩の役割を、うま味の下地も一緒に足してくれる塩麹に置き換えたのが、この記事で紹介する塩麹で作るスーチカーです。

塩麹で作るスーチカーの魅力

塩麹は、米こうじ・塩・水を合わせて発酵させた調味料です。米こうじ由来の酵素が含まれており、肉のたんぱく質にはたらきかけて、加熱後の食感をやわらかく感じさせると言われています。塩だけで漬けたときに比べて塩気の当たりがまろやかになり、こうじ由来のうま味が重なって、味に奥行きが出るのも塩麹ならではです。

仲宗根糀家の生塩こうじは、加熱していない「生」タイプ。火入れをしていないぶん、こうじの風味をそのまま楽しめます。沖縄で黄麹づくりに取り組んできた私たちが、余計なものを加えずに仕込んだ無添加の調味料なので、素材の味を邪魔しません。かたまり肉に塗り込むだけでスーチカーの下地が作れる手軽さも、日々の料理に取り入れやすいポイントです。

生塩こうじがスーチカー向きな理由

生・非加熱:火入れをしていないので、こうじの風味をそのまま生かせます

無添加:米こうじ・塩・水が中心。肉のうま味を邪魔しません

塗るだけ:かたまり肉に塗り込んで漬けるだけ。下ごしらえが手軽です

材料と下ごしらえ

まずは基本の材料をそろえます。分量は作りやすい目安です。豚肉は三枚肉(バラ肉)のかたまりが定番ですが、ロースや肩ロースでも作れます。

材料(作りやすい分量)

  • 豚バラかたまり肉:400〜500g
  • 生塩こうじ:肉の重量の約10〜15%(60〜75gが目安)
  • お好みで:粗びき黒こしょう、にんにく、ローリエなど少々

下ごしらえはとても簡単です。かたまり肉の表面の水分を、キッチンペーパーでていねいに拭き取ります。水気が残っていると傷みの原因になりやすいので、ここは丁寧に。厚みがある場合は、火の通りと味のなじみをよくするため、フォークで数か所刺しておくとよいでしょう。塩分がやや強めのしっかりしたスーチカーにしたいときは塩こうじを15%前後、まろやかに仕上げたいときは10%前後を目安に調整してください。

スーチカーの作り方(漬け方の手順)

ここからが本題のスーチカーの作り方です。特別な道具は必要なく、保存袋があれば作れます。冷蔵庫でじっくり漬け込むだけなので、仕込み自体は数分で終わります。

基本の流れ

  1. 肉の水気を拭く:かたまり肉の表面をキッチンペーパーでしっかり拭き取ります
  2. 塩こうじを塗る:生塩こうじを肉全体にまんべんなく塗り込みます。側面や端も忘れずに
  3. 袋で密着させる:保存袋に入れ、空気を抜いて肉と塩こうじを密着させます
  4. 冷蔵庫で漬ける:冷蔵庫(チルド室があればなお良い)で2〜3日漬け込みます。1日1回、袋の上下を返して味を均一に
  5. 取り出して使う:使う分だけ取り出し、表面の塩こうじを軽くぬぐってから調理します

漬け込み中は肉から水分が出てきます。これは水分が抜けてうま味が凝縮していくサインなので、袋にたまった水分ごと冷蔵庫でなじませて構いません。漬け時間が長いほど塩気は強く、うま味は濃くなります。2日目あたりから食べごろになり、3日ほどでしっかりとしたスーチカーらしい味わいになります。塩こうじは焦げやすいので、調理前に表面をぬぐっておくと仕上がりがきれいです。

生塩こうじ|沖縄・仲宗根糀家

生塩こうじ|沖縄・仲宗根糀家

沖縄・黄麹の蔵が仕込む、非加熱・無添加の生塩こうじ。かたまり肉に塗り込むだけで、スーチカーの下地が作れます。

生塩こうじはこちら

保存方法と日持ちの目安

スーチカーは塩漬けの保存食ですが、家庭で作る場合は昔ながらの常温長期保存ではなく、冷蔵・冷凍で管理するのが安心です。漬け込んだあとの保存の目安は次のとおりです。あくまで家庭での目安として、においや見た目に少しでも異変を感じたら食べないようにしてください。

保存の目安

冷蔵:漬けたまま袋ごと、数日〜1週間ほどを目安に。早めに使い切るのが安心です

冷凍:使いやすい大きさに切り分け、1切れずつラップで包んで冷凍。数週間を目安に、加熱調理して使い切ります

まとめて作ったときは、切り分けて冷凍しておくと使いたい分だけ取り出せて便利です。冷凍したものは冷蔵庫でゆっくり解凍してから、中心部までしっかり加熱して食べてください。豚肉の生ものを扱うので、まな板や包丁、手指はこまめに洗い、他の食材と分けて衛生的に扱うことも大切です。

食べ方(炒め・茹で)とアレンジ

できあがったスーチカーは、必ず加熱してから食べます。定番は「茹でる」「炒める」の2通り。それぞれの手順とコツを紹介します。

茹でて食べる:かたまりのまま、たっぷりの水から茹でます。沸いてきたらアクを取り、弱めの中火で肉の中心までしっかり火が通るまで茹でます。塩気が強いと感じるときは、茹で汁を一度替えると塩を抜けます。ゆで上がったら薄く切って、そのままでも、酢じょうゆやからしを添えても。ゆし豆腐や大根と合わせてスープにすると、うま味の出た汁ごと味わえます。

炒めて食べる:薄切りにして、ゴーヤーやキャベツ、青菜などと炒め合わせます。表面に塩こうじが残っていると焦げやすいので、軽くぬぐってから中火で。肉自体に塩気とうま味があるので、味つけは控えめでも十分にまとまります。炒め物にすると香ばしさが加わり、ごはんによく合う一品になります。焼きそばやチャンプルーの具にするのもおすすめです。

塩で漬ける場合との違い(比較表)

昔ながらの塩だけで漬ける方法と、塩麹で漬ける方法の主な違いを整理しました。どちらが正解というわけではなく、好みや用途で選んでみてください。

項目 塩で漬ける 塩麹で漬ける
塩気の当たり シャープでしっかり かどが取れてまろやか
うま味 肉本来のうま味 こうじ由来のうま味が重なる
食感 きゅっと締まった仕上がり やわらかく感じやすいと言われる
手軽さ 塩をすり込む 塗り込むだけ

※どちらの方法でも、調理の際は豚肉の中心部までしっかり加熱してください。

失敗しないコツと安全のポイント

おいしく、そして安全に仕上げるために、押さえておきたいポイントをまとめます。

押さえておきたいポイント

塩分量:肉の重量に対する塩こうじの割合で塩気が決まります。まずは10〜15%を目安に、好みで調整を

漬け時間:長いほど塩気とうま味が強まります。2〜3日を基本に、味を見ながら調整を

衛生管理:生の豚肉を扱うので、冷蔵庫で漬け、器具や手指は清潔に。他の食材と分けて扱います

必ず加熱:食べる前に中心部までしっかり火を通します。生や半生では食べません

塩こうじは焦げやすいので、炒めるときは表面をぬぐい、火加減は中火を基本にすると失敗しにくくなります。塩気が強く出すぎたときは、茹でこぼしたり、野菜や豆腐と合わせて全体のバランスを取るとよいでしょう。少量から試して、自分の家の定番の塩加減を見つけていくのがおすすめです。

よくある質問

Q. 塩麹(塩こうじ)の量はどのくらいが目安ですか?

A. 肉の重量に対して約10〜15%が目安です。まろやかに仕上げたいときは10%前後、しっかりした塩気にしたいときは15%前後を目安に、好みで調整してください。

Q. 何日くらい漬ければよいですか?

A. 冷蔵庫で2〜3日が基本です。2日目あたりから食べごろになり、長く漬けるほど塩気とうま味が強くなります。味を見ながら調整してください。

Q. 保存はどのくらい持ちますか?

A. 家庭で作る場合は冷蔵で数日〜1週間ほど、長く持たせたいときは切り分けて冷凍し、数週間を目安に使い切るのが安心です。においや見た目に異変を感じたら食べないでください。

Q. どの部位の豚肉が向いていますか?

A. 定番は三枚肉(バラ肉)のかたまりです。脂と赤身のバランスがよく、スーチカーらしい味わいになります。ロースや肩ロースでも作れるので、好みで選んでください。

Q. 塩漬けにしたら生のまま食べられますか?

A. いいえ。スーチカーは塩漬けの保存食ですが、生食用ではありません。食べる前に必ず中心部までしっかり加熱してください。茹でる・炒めるなどの調理で火を通しましょう。

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