仲宗根糀家のロゴ
沖縄で麹と発酵食品をつくる
仲宗根糀家

チャンプルー・イリチー・ンブシーの違い|沖縄料理を調理法で見分ける

◇
チャンプルー・イリチー・ンブシーの違い|沖縄料理を調理法で見分ける

※画像はイメージです

トップ画像は食材・料理を説明するイラストです。実際の調理写真ではありません。

チャンプルー・イリチー・ンブシーの違いは、豆腐を入れて炒めるか、炒めてから煮含めるか、味噌で煮るかという調理法の違いです。

農林水産省の郷土料理の紹介では、チャンプルーは「焼いた島豆腐と季節野菜の炒め物」、イリチーは乾物や根菜を炒めてから味を含ませるように煮込んだ炒め煮、ンブシーは豆腐や野菜と豚肉を味噌で煮込む「煮物と汁物の中間」の料理とされています。豆腐の入らない炒め物はタシヤー、しりしりは「すりおろす」動作を表す言葉です。

名前の意味がわかると、沖縄の家庭料理はぐっと覚えやすくなります。那覇市国場で黄麹(きこうじ)の米こうじと糀調味料をつくる仲宗根糀家が、見分け方と、家で作るときの味付けの選び方をまとめました。

この記事でわかること

  • チャンプルー・タシヤー・イリチー・ンブシー・しりしりの見分け方
  • 「ソーミンチャンプルー」「フーチャンプルー」という呼び方の考え方
  • 家で作るとき、塩こうじと醤油こうじのどちらが合うか

この記事で紹介する当店の商品:炒め物の塩味には生塩こうじ、煮含める料理には生醤油こうじ。両方を使い分けたい方には、生キムチソースも入った糀調味料3点セットがあります。

チャンプルー・イリチー・ンブシーの違いを早見表で

沖縄の家庭料理の名前は、多くが「主役の素材」+「調理法」でできています。ゴーヤー+チャンプルー、クーブ(昆布)+イリチー、ナーベーラー(へちま)+ンブシー、という具合です。後ろ半分を読めば、どんな料理かの見当がつきます。

呼び名 調理法と目印 作り方の記事
チャンプルー 島豆腐と野菜の炒め物。豆腐が入るのが目印 ゴーヤーチャンプルー
タシヤー 豆腐の入らない炒め物。そうめんの炒め物など ソーミンタシヤー(本文で解説)
イリチー 炒め煮。乾物や根菜を炒め、だしで味を含ませる クーブイリチー/千切りイリチー
ンブシー 味噌煮。煮物と汁物の中間くらいの汁気 ナーベーラーンブシー
しりしり 「すりおろす」動作の言葉。シリシリ器でおろす にんじんしりしり
ジューシー ごはんもの。炊き込みのクファ、雑炊のヤファラ ジューシー

迷ったときは3つの問いで

問い1 豆腐は入っている?
島豆腐と野菜の炒め物ならチャンプルー。豆腐の入らない炒め物はタシヤーの仲間です。

問い2 炒めたあと、だしで煮含めている?
乾物や根菜に煮汁を吸わせて仕上げるならイリチーです。

問い3 味噌で煮て、汁気ごと味わう?
味噌で煮込み、素材から出た汁と一緒に食べるならンブシーです。

「パパイヤイリチー」なら青パパイヤの炒め煮、「ゴーヤーンブシー」ならゴーヤーの味噌煮。名前の後ろ半分を手がかりにすると、食堂の品書きもぐっと読みやすくなります。

チャンプルーとタシヤー|豆腐が入るかどうかで呼び名が変わる

農林水産省の郷土料理の紹介では、チャンプルーは焼いた島豆腐と季節野菜の炒め物のこととされています。世界大百科事典でも、沖縄豆腐を主材料に季節の野菜を組み合わせ、油で炒めて塩で味をととのえる料理として紹介されています。

代表格のゴーヤーチャンプルーの材料は、ゴーヤー・島豆腐・豚三枚肉・卵。島豆腐が手に入らない地域では、木綿豆腐でも作れるとされています。豆腐を先に焼いて焼き色をつけてから、ほかの具と炒め合わせるのが基本の流れです。

「そうめんチャンプルー」は本来タシヤー

農林水産省は、豆腐を使わないそうめんの炒め物をソーミンタシヤーとして紹介しています。豆腐が入るチャンプルーとの違いを理解する例です。野菜やツナを合わせ、塩やしょうゆで味を整える方法があり、呼び名よりも、麺をほぐして炒める工程を確かめると作りやすくなります。

現在は豆腐の有無にかかわらず、チャンプルーという呼び名が親しまれる例もあります。伝統的な調理法の整理と、飲食店や家庭での通称は分けて考えましょう。呼び方の違いだけで、その家庭の料理を間違いと決めつける必要はありません。

「フーチャンプルー」はどう考える?

車麩を使うフーチャンプルーも、豆腐が主役ではありません。それでも暮らしの中では「フーチャンプルー」「ソーミンチャンプルー」の呼び名がよく使われていて、このサイトのフーチャンプルーの作り方もその呼び名で紹介しています。厳密な定義と、親しまれている呼び名。両方を知っておくと、沖縄の食卓の話がいっそう楽しくなります。

イリチーとは|炒めてから煮含める「炒め煮」

イリチーは炒め煮のこと。農林水産省のクーブイリチーの紹介では、乾物や根菜類などを炒めてから、味を含ませるように煮込んだ料理と説明されています。世界大百科事典でも、短冊に切ったゆで豚に刻み昆布や切り干し大根などを取り合わせる「いため煮」とされています。

チャンプルーとのいちばんの違いは、炒めたあとに煮含める工程があるかどうか。チャンプルーが炒め合わせて仕上げるのに対し、イリチーは乾物に豚だしなどを吸わせ、味がなじむまで火を通します。昆布の炒め煮クーブイリチーは、昆布を「よろこぶ」にかけて祝い事に欠かせない料理とされてきました。

ンブシーとは|味噌で煮る、煮物と汁物の中間

ンブシーは味噌煮です。農林水産省のナーベーラーンブシーの紹介では、豆腐や野菜と豚肉を味噌で煮込む「煮物と汁物の中間位の料理」とされ、世界大百科事典でも、ゆで豚や豆腐、昆布、青菜や根菜を取り合わせてみそで調味する料理として紹介されています。

代表的なナーベーラーンブシーは、ゴーヤーに次ぐ夏野菜の代表格である若くやわらかいヘチマを使います。ヘチマは4月上旬から9月下旬に収穫され、中火でじっくり煮ると出てくるどろっとした甘い汁「ドゥー汁」を、適度に出すことがおいしさのコツとされています。炒め物のチャンプルーや、煮汁を吸わせるイリチーとは、仕上がりの汁気がまったく違います。

しりしりとは|料理法ではなく「すりおろす」動作の言葉

少し毛色が変わるのが「しりしり」です。農林水産省の人参シリシリーの紹介によると、シリシリーはすりおろす動作や、そのときの「すりすり」という音を表す沖縄の方言。大きな穴の開いたおろし金のような「シリシリ器」を使います。

人参シリシリーは、シリシリ器でおろした人参を炒めて卵でとじた料理。名前の「しりしり」は素材のおろし方を表していて、チャンプルーやイリチーのように火の入れ方を表す言葉ではありません。シリシリ器がなければ、スライサーや包丁の千切りでも作れます。

ごはんものの「ジューシー」には、炊き込み形式のクファ(堅い)ジューシーと、水気を多くして炊く雑炊形式のヤファラ(軟らかい)ジューシーがあります。同じように、でんぷん質がべっとりとのり状に仕上がった状態は「プットゥルー」と呼ばれ、やわらかく仕上げたそうめんの炒め物はソーミンプットゥルーです。

家で作るなら|塩こうじと醤油こうじの使い分け

調理法がわかると、味付けの選び方も見えてきます。炒め物の塩味には塩こうじ、煮含める料理の醤油味には醤油こうじ、味噌が主役の料理は味噌のまま。料理の型ごとに整理すると次のとおりです。

料理の型 合う糀調味料 使い方の考え方
チャンプルー 塩こうじ 豚肉の下味に。当店の商品では肉の重さの約10%が目安
タシヤー・しりしり 塩こうじ 塩の代わりに。少量ずつ加えて味を見る
イリチー 醤油こうじ 醤油の代わりに。焦げやすいので火は弱めに
ンブシー 味噌のまま 味噌を塩こうじで置き換えない

塩こうじを肉の下味に使う量は素材の重さの約10%。仲宗根糀家がふだんご案内している目安で、豚三枚肉100gなら10gほどです。イリチーに醤油こうじを使うときは、醤油を一度に置き換えず、少しずつ加えて味を見ます。

2つを合わせる「My調味料」

塩こうじと醤油こうじを合わせると、塩味を補いながら醤油の風味も加えられます。ただし味噌煮まで同じたれで置き換える必要はありません。まず小皿に少量ずつ合わせ、その日の料理に使い切ると味を調整しやすくなります。両方を一度に鍋へたっぷり足すと、後から塩味を戻しにくいので気をつけましょう。

塩味・醤油味・辛みを使い分けたい方へ

糀調味料3点セット

通常購入 3,000円(税込)

すぐ料理に使える仕込み済みの調味料を、用途で選べます。塩こうじは肉や魚の下味、醤油こうじは冷奴や煮物に。セットには生キムチソースも入るため、辛みのある炒め物や鍋も作る予定があるかを考えて選んでみてください。

沖縄で仕込む生塩こうじ・生醤油こうじ・生キムチソースの3つをそろえたセットです。麹の酵素を料理に生かすため、仕上げた製品を加熱殺菌せず、保存のための酒精も加えず、すぐに冷凍しています。冷凍で保管してお使いください。

送料別。お届け先・箱サイズにより異なります。送料表で確認できます。価格・商品情報は商品ページでご確認ください。

3つの調味料の用途とセット内容を見る

別の用途・味も比べるなら:生塩こうじ

塩こうじ・醤油こうじはどこで買える?

仲宗根糀家の生塩こうじと生醤油こうじは、仲宗根糀家のオンラインショップ(NUCHI)で冷凍でお届けしています。仕上げた製品を加熱殺菌せず、麹の酵素の働きを料理に生かすための冷凍です。冷凍庫でも固まりきらず、使う分だけ取り出せます。

沖縄県内で店頭購入を希望する方は、品揃えや在庫を店舗へ確認してください。取扱店の案内は公式の販売店一覧でご確認ください。自分で仕込みたい方は、乾燥させていない生の米こうじ生米こうじから。仕込み方は分量だけでなく、温度・時間・保存方法までそろったレシピを確認してください。

LINE友だち限定 / 無料PDFプレゼント

生塩こうじの30品(PDFレシピ集の表紙)

沖縄の炒め物や煮物の次に、塩こうじの使い道をもうひとつ。

生塩こうじの30品

毎日の料理に役立つ、糀のレシピ集。材料・作り方・コツを、ひとつのPDFにまとめました。

受け取り方
LINEで友だち追加後、トークの案内に沿ってレシピ集をお選びください。選択肢に見当たらないときは、合言葉「塩こうじ」と送信してください。

LINEで無料レシピ集を受け取る →

登録・レシピ集の受け取りは無料です。

よくある質問

呼び名や、糀調味料に置き換えるときに迷いやすい点をまとめました。

Q. チャンプルーとイリチーの、いちばんの違いは?

A. 煮含める工程の有無です。チャンプルーは島豆腐と野菜の炒め物、イリチーは乾物や根菜を炒めてから煮汁で味を含ませる炒め煮です。

Q. ンブシーと味噌汁はどう違いますか?

A. ンブシーは豆腐や野菜と豚肉を味噌で煮込む、煮物と汁物の中間くらいの料理です。味噌汁より汁気が少なく、具を主役に味わいます。

Q. 初めて糀調味料で沖縄料理を作るなら?

A. 炒め物の味付けから少量ずつ試す方法があります。塩と塩こうじは水分や塩分が異なるため、同じ重さで置き換えず、塩こうじを使う分量が示されたレシピで確認してください。

Q. 届いた塩こうじ・醤油こうじはどう保存しますか?

A. 当社の生塩こうじ・生醤油こうじは、届いた後も開封後も冷凍保存します。清潔な器具で使う量だけ取り出してください。家庭で仕込んだ調味料の保存条件とは区別します。

参考情報

‹前の記事次の記事›