沖縄の食卓に欠かせない、にんじんとツナ・卵の炒めもの「にんじんしりしり(人参しりしり)」。今回は、いつもの塩の代わりに生塩こうじ(塩麹)で味つけする作り方をご紹介します。塩こうじを使うと、塩味に糀のうま味がふわりと重なり、にんじんの甘みが引き立ちます。この記事では、にんじんしりしりを塩麹で作る基本レシピを、材料の目安・切り方のコツ・炒める手順・味つけのタイミング・保存の目安・よくある質問まで、沖縄の糀屋・仲宗根糀家がまるごとご案内します。
目次
1. にんじんしりしりとは(沖縄の家庭料理)
2. 塩こうじで味つけすると何が変わるのか
3. 材料・道具(基本の目安)
4. にんじんの切り方の比較(しりしり器・スライサー・包丁)
5. にんじんしりしり 塩麹レシピの作り方
6. おいしく仕上げる6つのコツ
7. 味つけのアレンジ(醤油こうじ・まぜとこ など)
8. 保存の目安・お弁当への使い方
9. よくある質問
にんじんしりしりとは(沖縄の家庭料理)
「にんじんしりしり」は、細い千切りにしたにんじんを、ツナ缶や卵と一緒に炒め合わせた沖縄の定番おかずです。「しりしり」は、にんじんを専用の道具ですりおろすように削るときの音や様子から来た言葉と言われています。県内の家庭では、専用の「しりしり器」で一気ににんじんを削り、フライパンでさっと炒めるのが日常の風景です。
にんじんの自然な甘みと、ツナのコク、卵のやさしさが合わさって、子どもから大人まで箸がすすむ一皿。彩りもよく、あと一品ほしいときやお弁当のおかずにも重宝します。材料が少なく、炒めるだけで完成する手軽さも、長く愛されてきた理由です。
この記事でご紹介するのは、その味つけを塩の代わりに生塩こうじ(塩麹)にした作り方です。にんじんを丸ごと使い切れて、糀のうま味で味に奥行きが出る、糀屋おすすめの一品です。
塩こうじで味つけすると何が変わるのか
塩こうじ(塩麹)は、米こうじ・塩・水を合わせて発酵させた調味料です。塩味の中に、糀が生み出したうま味成分(アミノ酸)が含まれているのが特徴で、にんじんしりしりに使うと、料理の仕上がりがこんなふうに変わります。
塩こうじで味つけした、にんじんしりしりの変化
◆ 塩味がまろやかになる:とがった塩けではなく、うま味を含んだやわらかい塩味になります。少ない調味料でも、味がぼやけずまとまります。
◆ にんじんの甘みが引き立つ:糀のうま味が加わることで、にんじん本来の甘みや香りが感じやすくなります。
◆ 味つけが一発で決まる:塩・だし・うま味調味料をあれこれ足さなくても、塩こうじひとつで味がまとまりやすくなります。
つまり塩こうじは、にんじんしりしりの「塩+うま味だし」をひとつでこなす調味料のような存在です。炒める前に軽く和えておけば、にんじんに塩味がなじんで、少ししんなりし、炒め時間も短く済みます。難しいことはなく、いつもの塩を塩こうじに置きかえるだけです。
材料・道具(基本の目安)
2〜3人分の目安です。分量はお好みで調整してください。
- にんじん 2本(約300g)
- ツナ缶 1缶(約70g・お好みで油をきる)
- 卵 1個
- 生塩こうじ(塩麹) 小さじ2〜大さじ1(にんじん約150gに対して小さじ1〜2が目安)
- ごま油(または植物油) 小さじ1
- お好みで 白いりごま・小ねぎ・かつお節・こしょう など
道具は、にんじんを千切りにするしりしり器(またはスライサー・包丁)と、フライパンがあれば十分です。しりしり器がなくても、スライサーや包丁の千切りで問題なく作れます。
味の決め手は塩こうじそのもの。火入れ(加熱殺菌)をしていない「生」の塩こうじは、糀のうま味と香りがそのまま生きています。仲宗根糀家の生塩こうじは、沖縄で黄麹(きこうじ)をつくる糀屋が、米こうじと塩だけで仕込んだ非加熱・無添加の塩こうじです。凍ったままでもスプーンですくって使えるので、炒めものの味つけにも気軽にお使いいただけます。
にんじんの切り方の比較(しりしり器・スライサー・包丁)
にんじんしりしりは、にんじんの切り方で食感が変わります。ご家庭の道具に合わせて選んでください。
| 切り方 | 食感・仕上がり | 向いている人 |
|---|---|---|
| しりしり器 | 断面が少しギザギザで、味やツナがからみやすい。ふんわりやわらかな食感になりやすい | 本場の食感を出したい方・一度にたくさん作る方 |
| スライサー(千切り) | 細さがそろい、火の通りが均一。手早く量をこなせる | 道具は増やしたくないが手早く作りたい方 |
| 包丁(千切り) | 少し太めでシャキッとした歯ごたえ。太さを自分で調整できる | 歯ごたえを残したい方・道具がない方 |
※どの切り方でもおいしく作れます。太めに切ったときは炒め時間を少し長めに、細めのときは短めにと、火の通り具合で調整してください。しりしり器・スライサーは指を切らないよう、最後は安全ホルダーを使うと安心です。
にんじんしりしり 塩麹レシピの作り方
ここでは、塩こうじで味つけするにんじんしりしりの基本の手順をご紹介します。時間は目安なので、様子を見ながら進めてください。
基本の流れ
- にんじんを千切りにする:にんじんの皮をむき、しりしり器・スライサー・包丁のいずれかで細切りにします。
- 塩こうじを和える(下味):ボウルに千切りにんじんと生塩こうじ(小さじ2〜大さじ1)を入れて軽く混ぜ、5〜10分ほどおきます。にんじんがしんなりし、塩味がなじみます。急ぐときはこの工程を省き、炒める途中で加えても構いません。
- フライパンで炒める:フライパンにごま油を入れて中火で熱し、にんじんを炒めます。全体がしんなりして、かさが減るまでが目安です。
- ツナを加える:ツナ缶を加えて炒め合わせます。油ごと入れるとコクが、油をきるとあっさり仕上がります。
- 卵でとじる:溶き卵を回し入れ、大きくざっくり混ぜて火を通します。卵がふんわり固まったら火を止めます。
- 味をととのえる:味を見て、足りなければ塩こうじをほんの少し足します。器に盛り、お好みで白いりごまや小ねぎ、かつお節を散らして完成です。
塩こうじは糀由来の糖分を含み、こげやすいので、炒めるときは中火で手早くを心がけると失敗が少なくなります。下味で和えた場合は、すでに塩けが入っているので、仕上げの塩こうじは味を見てから少しずつ加えてください。
おいしく仕上げる6つのコツ
◆ 1. 塩こうじで下味をつける 炒める前に和えておくと、にんじんに塩味がなじみ、少ししんなりして炒め時間が短くなります。味も均一になります。
◆ 2. 中火で手早く炒める 塩こうじはこげやすいので、強火で長く炒めすぎないのがコツ。にんじんのかさが減ってしんなりすればOKです。
◆ 3. ツナの油はお好みで 油ごと使うとコクが増し、きるとあっさり。お好みや献立に合わせて選べます。
◆ 4. 卵は最後に、大きく混ぜる こまかく混ぜすぎるとパサつきやすいので、ふんわり大きくとじると口当たりよく仕上がります。
◆ 5. 塩こうじは味を見て少しずつ 塩こうじの塩けは商品や量で差が出ます。入れすぎると塩辛くなるので、味を見ながら調整しましょう。
◆ 6. 仕上げの香りをひと足し 白いりごまやかつお節、こしょうを最後に加えると、香りが立って食べ飽きません。
味つけのアレンジ(醤油こうじ・まぜとこ など)
塩こうじの基本に慣れたら、糀の調味料を替えて味の表情を変えてみてください。
| 味つけ | 仕上がりの印象 |
|---|---|
| 生塩こうじ(基本) | すっきりした塩味に糀のうま味。にんじんの甘みが引き立つ王道の味 |
| 生醤油こうじ | こうばしく和風の深い味わい。ごはんによく合う、しっかりめの一皿に |
| 塩こうじ+まぜとこ | おから発酵調味料のコクが加わり、ほっとする味わいに |
和風にしたい日は塩こうじの一部を醤油こうじに替えると、こうばしさが加わってごはんがすすみます。コクを出したいときは、おから発酵調味料まぜとこをひとさじ加えるのもおすすめ。ツナの代わりにポークランチョンミートやしらす、仕上げにピーマンやもやしを合わせても、沖縄らしい炒めものになります。
保存の目安・お弁当への使い方
粗熱をしっかり取ってから、清潔な容器に移して保存します。
- 冷蔵:一般的には、作ってから2〜3日を目安に食べきるのがおすすめです。卵や魚介を使っているので、早めにいただきましょう。
- お弁当:彩りがよく、すき間おかずにぴったり。詰めるときはよく冷まし、汁けをきってから入れると傷みにくくなります。
- 作り置き:小分けにして冷蔵しておくと、忙しい日のあと一品にすぐ使えます。
※保存期間は目安です。ご家庭の環境や季節によって異なります。においや色に違和感があれば食べるのは控えましょう。温かい季節は特に早めにお召し上がりください。
よくある質問
Q. しりしり器がなくても作れますか?
A. はい、スライサーの千切りや、包丁での千切りでも問題なく作れます。しりしり器で作ると断面がギザギザで味がからみやすく本場らしい食感に、包丁だと少し太めでシャキッとした歯ごたえになります。お手持ちの道具でお試しください。
Q. 塩こうじはどのくらい入れればいいですか?
A. にんじん約150g(1本弱)に対して小さじ1〜2が目安です。塩こうじは商品によって塩けに差があるので、まずは少なめに入れ、味を見ながら足すと失敗しません。ツナや卵にも塩味があるため、控えめから始めるのがおすすめです。
Q. 塩こうじを入れるのは炒める前?仕上げ?
A. どちらでも作れます。炒める前ににんじんと和えておくと、塩味がなじんでしんなりし、炒め時間が短く済みます。仕上げに加えると糀の香りが立ちます。塩こうじはこげやすいので、仕上げに入れる場合はさっと炒め合わせる程度にしましょう。
Q. ツナ缶の油はきったほうがいいですか?
A. お好みで大丈夫です。油ごと使うとコクとうま味が増し、油をきるとあっさり軽く仕上がります。油ごと使う場合は、炒め油を控えめにするとちょうどよくなります。
Q. 卵なしでも作れますか?
A. はい、卵を入れずにんじんとツナだけでも作れます。卵を入れるとまろやかでボリュームが出て、入れないとにんじんとツナの味がすっきり際立ちます。アレルギーやお好みに合わせて調整してください。
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