日本の食卓には、古くから発酵食品が根づいてきました。味噌や醤油、漬物、そして甘酒。地域ごとに受け継がれてきた発酵の知恵は、暮らしのなかで自然と親しまれてきた食文化です。沖縄で黄麹(きこうじ)づくりに取り組む仲宗根糀家から、糀のある暮らしと、発酵食品の楽しみ方をご紹介します。
発酵食品とは何か
発酵食品とは、微生物の働きによって原料が変化し、独特の風味や香りが生まれた食品のことです。日本では古来、麹菌(こうじきん)を使った発酵が食文化の中心にありました。麹菌は「ニホンコウジカビ」とも呼ばれる国菌で、味噌・醤油・甘酒・塩こうじなど、私たちの食卓を支える発酵食品づくりに欠かせない存在です。
沖縄では、泡盛文化の影響で黒麹や白麹が広く使われてきました。そうしたなかで、仲宗根糀家は食用の黄麹づくりに取り組んできた、沖縄では数少ない作り手です。甘酒や塩こうじ、米糀といった、食卓のための発酵食品を黄麹からつくっています。
沖縄に伝わる発酵の食文化
沖縄には、独自の発酵文化が息づいています。なかでもよく知られているのが「豆腐よう」です。豆腐ようは、島豆腐を米麹・紅麹・泡盛で発酵させた琉球王朝伝来の珍味で、もとは中国の腐乳が伝わり、琉球で泡盛に漬ける製法へと改良されたものと言われています。泡盛に漬けるという工夫は、沖縄ならではの独自の食文化です。

また、泡盛づくりに使われる黒麹は、クエン酸を多く生み出し、もろみのpHを下げて雑菌が増えにくい環境をつくります。この性質が、高温多湿の沖縄での酒づくりに適していたと言われています。こうした麹の使い分けの知恵もまた、土地の気候と向き合いながら育まれてきた食文化のひとつです。仲宗根糀家は、こうした沖縄の発酵文化に敬意を払いながら、食卓のための黄麹づくりに取り組んでいます。
糀のある暮らしの楽しみ方
発酵食品の魅力は、毎日の食卓に無理なく取り入れられることです。仲宗根糀家の糀調味料や甘酒を、いくつかの使い方とともにご紹介します。
甘酒(甘糀)
米麹からつくる甘酒は、砂糖を使わずに、米麹の働きでお米のでんぷんが糖に変わり、自然な甘みが生まれる飲みものです。アルコールを含まないノンアルコール飲料なので、そのまま飲むのはもちろん、お料理の砂糖代わりやみりん代わりとしても使えます。ご自宅でつくる場合は、炊飯器の保温を使う方法を仲宗根糀家ではおすすめしています。

塩こうじ
塩こうじは、肉や魚を漬けたり、野菜とあえたりと、毎日の料理に幅広く使える発酵調味料です。素材になじませると、ふだんの料理にまろやかなうま味が加わります。仲宗根糀家の生塩こうじは、火入れ(加熱殺菌)をしていない非加熱の製品です。

米糀(生米こうじ)
仲宗根糀家の米糀(生米こうじ)は、乾燥させず「生」の状態でお届けしているのが特徴です。お米の水分が保たれているため、お米の風味やうま味が残りやすく、お米の芯も残りにくいので、甘酒や塩こうじづくりが初めての方にも扱いやすい米糀です。糀をひらいたときの、ふわっと甘い、糀のいい香りもぜひ楽しんでいただきたいところです。

作り手として大切にしていること
仲宗根糀家は、沖縄で食用の黄麹づくりに取り組む作り手です。糀づくりには、手作業の工程と機械の工程の両方があり、糀の状態を見ながら、ていねいに向き合う日々を重ねています。商品はすべて無添加で仕上げています。
発酵食品は、地域ごと、家庭ごとに受け継がれてきた、暮らしに寄り添う食文化です。糀のある食卓を、肩肘張らずに楽しんでいただけたら。そんな想いで、これからも沖縄から発酵食品をお届けしていきます。
沖縄における麹の食文化については、こちらの記事でもご紹介しています。あわせてご覧ください。


