温かいお味噌汁を一口いただいたとき、ふっと心がほどけるような心地になることはありませんか。沖縄には、そんな瞬間に使われる「ぬちぐすい」という美しい言葉があります。この記事では、「ぬちぐすい」という言葉の意味や使われ方、そして食を大切にしてきた沖縄の食文化と、わたしたちの屋号「ぬち」に込めた想いを、お話しさせていただきます。
目次
1. 「ぬちぐすい」とは。命の薬という言葉
2. 食を大切にしてきた沖縄の食文化
3. 「食べることは生きること」という考え方
4. 屋号「ぬち=命」に込めた想い
5. つくり手・仲宗根糀家のこと
6. よくあるご質問
「ぬちぐすい」とは。命の薬という言葉
「ぬちぐすい」とは、沖縄の言葉で「命の薬」を意味します。「ぬち」が「命」、「ぐすい(くすい)」が「薬」をあらわす言葉で、漢字では「命薬」と書きます。
ただ、ここでいう「薬」は、いわゆるお薬のことだけを指すわけではありません。心と体にじんわりと沁みわたっていくような、ありがたいもの全般に向けて使われる言葉だと言われています。たとえば、美味しいものをいただいて思わず笑顔になったとき。久しぶりに会った人とゆっくり語り合って心が温まったとき。美しい景色に出会って深く息をついたとき。そんな場面で、沖縄の方々は「あぁ、ぬちぐすいだねぇ」と、しみじみ口にするのだそうです。
なかでも食べものに対して使われることが多く、心に沁みる一杯や、手間をかけて作られたごちそうをいただいたときに、感謝の気持ちを込めて添えられる言葉として親しまれてきました。
ポイント 「ぬちぐすい」は、美味しいものや心に沁みるものに出会ったときに使われる、沖縄ならではの感謝とよろこびの言葉です。
食を大切にしてきた沖縄の食文化
沖縄には、古くから「食」を大切にする考え方が根づいてきたと言われています。日々の食卓に並ぶものを、ただお腹を満たすためのものとしてではなく、暮らしを支え、人と人をつないでくれる、かけがえのないものとして受けとめてきた文化があります。
家族や親戚、ご近所同士で食卓を囲み、季節の恵みを分かち合う。そうしたあたたかな営みのなかで、食べものへの感謝の気持ちが、自然と言葉になっていったのかもしれません。「ぬちぐすい」という言葉が今も大切に受け継がれているのは、食を慈しんできた沖縄の人々の心のあらわれだとも言えそうです。
「ぬちぐすい」という言葉の根っこには、食べることで心と体を養うという考え方があります。これは「医食同源」「薬食同源」にも通じる、沖縄で大切に語り継がれてきた食の知恵だと言われています。豚肉や海藻、島野菜など、滋養ゆたかな食材を日々の食卓に取り入れてきた沖縄では、毎日の食事そのものが「命の薬」として受けとめられてきました。
そして「ぬちぐすい」は、食べ物だけの言葉ではありません。美しい海の景色、心にしみる音楽、人の優しさにふれたとき――心と体が元気を取り戻すようなものすべてに、この言葉を使います。
こうした食を大切にする土壌のなかで、発酵食品もまた、沖縄の食卓に長く寄り添ってきました。糀(こうじ)を使った調味料や保存食は、限られた食材をていねいに活かし、味わいに深みを添えてくれる、暮らしの知恵そのものです。
「食べることは生きること」という考え方
わたしたちは、「食べることは、生きること」だと考えています。毎日の食事は、ただ繰り返される日常のひとコマのようでいて、実はその一つひとつが、わたしたちの体をつくり、明日への活力を育んでくれる、とても尊い時間です。
忙しい毎日のなかでは、つい食事をあわただしく済ませてしまうこともあるかもしれません。けれど、ほんの少し立ち止まって、目の前の一皿にていねいに向き合ってみる。誰かのために心を込めて料理をする。そうした時間こそが、「ぬちぐすい」につながっていくのではないかと、わたしたちは思っています。
だからこそ、わたしたちがお届けするものは、口にした方の毎日にそっと寄り添えるものであってほしい。そんな願いを込めて、一つひとつの商品を仕込んでいます。
屋号「ぬち=命」に込めた想い
わたしたちの新しいブランド名は「ぬち(NUCHI)」。沖縄の言葉で「命」を意味するこの名前を、ブランドの名前として選びました。
それは、「ぬちぐすい」という言葉に込められた、食べものへの感謝とよろこびの心を、お店の核に置きたいと考えたからです。お届けする一品が、召し上がる方にとって「ぬちぐすいだねぇ」と感じていただけるような、心に沁みるものでありますように。そんな想いを、屋号「ぬち」に託しました。
命をつなぐ食卓に、ささやかでも豊かな彩りを添えられたら。それが、わたしたちの何よりの願いです。
沖縄の糀屋が無添加で仕込む発酵食品
つくり手・仲宗根糀家のこと
お店「ぬち」のつくり手は、沖縄の糀屋「仲宗根糀家(なかそねこうじや)」です。わたしたちは、沖縄で黄麹(きこうじ)づくりに取り組んできたパイオニアとして、発酵の恵みをお届けしてきました。
糀づくりは、目には見えない小さな菌たちとの、根気のいる対話です。気温や湿度に耳をすませながら、一日一日ていねいに手をかけて育てていく。そうして仕込まれた糀から生まれる調味料や発酵食品は、無添加にこだわり、素材そのものの味わいを大切にしています。
沖縄の風土が育んだ発酵文化への敬意を胸に、これからも、皆さまの食卓にそっと寄り添えるものをお届けしてまいります。
ポイント お店「ぬち」のつくり手は、沖縄で黄麹づくりに取り組んできた糀屋・仲宗根糀家。無添加で、ていねいに発酵食品を仕込んでいます。
また仲宗根糀家が厳選した素材や生産者、加工者の方々の信頼できる商品だけを取り扱っています。
お客様には商品の裏面を見なくても案内して毎日食べていただけるものづくりをコンセプトに、日々商品開発を行なっています。
よくあるご質問
Q. 「ぬちぐすい」とはどういう意味ですか。
A. 沖縄の言葉で「命の薬」を意味します。美味しいものや心に沁みるものに出会ったとき、感謝とよろこびを込めて使われる言葉だと言われています。薬になるほど効果がある食べ物、美味しい料理で心も身体も元気になるものがぬちぐすいです。
Q. どんな場面で使う言葉ですか。
A. 心に沁みる一杯をいただいたときや、手をかけて作られたごちそうを口にしたときなど、食べものに対して使われることが多い言葉です。美しい景色や温かな語らいに対して使われることもあります。
Q. ブランド名「NUCHIぬち」の名前の由来は何ですか。
A. 「NUCHIぬち」は沖縄の言葉で「命」を意味します。「ぬちぐすい」に込められた、食べものへの感謝の心をお店の核に置きたいという想いから名づけました。
あわせて読みたい:沖縄の発酵食材で腸活/糀と麹のちがい


