塩麹肉じゃがのレシピ|味しみ・やわらか仕立てのコツと黄金比

塩麹肉じゃがのレシピ|味しみ・やわらか仕立てのコツと黄金比

ほくほくのじゃがいもに、味がじんわり染みた肉じゃが。あの「もう一口」が止まらないおいしさを、家庭でぴたりと決めるのは意外と難しいもの。そこでおすすめしたいのが塩麹(塩こうじ)を使った肉じゃがです。お肉に塩こうじで下味をつけ、煮汁にも少し加えると、味しみが良く・お肉がやわらかく・旨みに奥行きのある一皿になります。この記事では、覚えやすい「大さじ1」の黄金比を軸に、牛肉と豚肉の選び方、味しみとやわらか仕立てのコツ、失敗しない注意点、保存の目安、よくある質問まで、沖縄の糀屋・仲宗根糀家がまるごとご紹介します。

塩こうじ肉じゃがが「味しみ・やわらか」になる理由

肉じゃがは、シンプルな煮物だからこそ「味がぼんやりする」「お肉がかたくなる」という悩みが出やすい料理です。塩こうじを使うと、この2つのつまずきをやわらげてくれます。

塩こうじは、米こうじ・塩・水を合わせて発酵させた調味料で、こうじ菌が生み出した酵素がたっぷり含まれています。この酵素が、料理のうえで次のような働きをします。

塩こうじが肉じゃがにもたらす3つの変化

お肉をやわらかくほぐす:酵素(プロテアーゼ)がお肉のたんぱく質を少しずつほぐし、薄切り肉でもやわらかい口当たりに仕上がります。

旨みに奥行きが出る:ほぐれたたんぱく質は旨み成分(アミノ酸)に変わります。だしとお肉の旨みが重なり、味が単調になりません。

塩味がまろやかにまとまる:塩こうじの塩けは角がなく、じゃがいもや玉ねぎのやさしい甘みを引き立てます。

さらに、味しみには煮物ならではのコツがあります。煮物は加熱中よりも「冷めていく過程」で味が入っていくと言われています。塩こうじで下ごしらえをしておくと、この冷める時間に旨みがしっかりなじみ、翌日はいっそう味しみの良い肉じゃがになります。難しい技術は不要。漬けて、炒めて、黄金比の煮汁で煮るだけです。

材料(4人分の目安)

まずは基本の材料です。分量は一般的な目安なので、お好みで調整してください。

  • 牛または豚の薄切り肉 200g(切り落とし・こま切れでOK)
  • じゃがいも 3〜4個(約400g/煮崩れしにくい「メークイン」がおすすめ)
  • 玉ねぎ 1個
  • にんじん 1本(小さめ)
  • しらたき 1袋(お好みで)
  • 塩こうじ 大さじ2(お肉の下味に大さじ1・煮汁に大さじ1)
  • サラダ油 適量
  • 煮汁(黄金比) だし1カップ・醤油大さじ1・みりん大さじ1・酒大さじ1 ※次章で解説

味の決め手は、やはり塩こうじそのもの。火入れをしていない「生」の塩こうじは酵素が活きているため、お肉をほぐす働きが期待できます。仲宗根糀家の生塩こうじは、沖縄で黄麹をつくる糀屋が、米糀と食塩だけで仕込んだ非加熱・無添加の塩こうじです。下味づけにそのまま使えます。

味しみの黄金比【大さじ1で覚える煮汁の配合】

肉じゃがの味付けは、覚えられないと毎回レシピを見ることになりがち。塩こうじ肉じゃがなら、「だし1カップ+大さじ1が4つ」と覚えるだけでOKです。塩こうじが旨みと塩味を底上げしてくれるので、砂糖を足さなくてもやさしい甘みでまとまります。

調味料 分量(4人分の目安) 役割
だし 1カップ(約200ml) 味の土台。かつお・昆布だしがよく合う
塩こうじ 大さじ1 旨み・やわらかさ・まろやかな塩味
醤油 大さじ1 色づきと香ばしい香り
みりん 大さじ1 照りとやさしい甘み
大さじ1 風味とコク、素材の臭みをやわらげる

※分量は一般的な家庭の目安です。塩こうじの塩けは商品によって差があるため、味をみて醤油・塩こうじの量を調整してください。甘めが好きな方は、みりんを少し増やすと好みに寄せられます。

こだわりメモ:砂糖を足したくないとき

塩こうじの旨みと玉ねぎの甘みで、砂糖なしでも十分にまとまります。それでも「もう少し甘みがほしい」ときは、砂糖の代わりに糀の糖(米糀からできた甘み)を小さじ1ほど。角のないやさしい甘みで、こうじの風味とも自然になじみます。

塩こうじ肉じゃがの作り方(基本の手順)

ここでは、ご家庭で作りやすい塩こうじ肉じゃがの基本の手順をご紹介します。時間や分量は目安として、お好みで調整してください。

基本の流れ

  1. お肉に下味をつける:薄切り肉に塩こうじ大さじ1をもみ込み、10〜15分ほどおきます(時間があれば冷蔵庫で30分〜1時間)。この下味が、やわらかさと旨みの土台になります。
  2. 野菜を切る:じゃがいもは大きめの一口大、玉ねぎはくし切り、にんじんは乱切りに。じゃがいもは面取りをすると煮崩れしにくくなります。しらたきは下ゆでして食べやすく切ります。
  3. 炒める:鍋に油を熱し、下味をつけたお肉を炒めます(塩こうじは焦げやすいので、表面についた分は軽くぬぐってから炒めると安心です)。色が変わったら、じゃがいも・にんじん・玉ねぎを加えて全体に油をなじませます。
  4. 黄金比の煮汁を注ぐ:だし1カップ・塩こうじ大さじ1・醤油大さじ1・みりん大さじ1・酒大さじ1を加えます。しらたきもここで加えます。
  5. 落としぶたで煮る:煮立ったらアクを取り、落としぶたをして中弱火で15〜20分ほど。じゃがいもに竹串がすっと通れば火からおろします。
  6. いったん冷まして味を含ませる:火を止めてそのまま10〜20分ほど置くと、冷めていく間に味がぐっと染みます。食べる前に温め直すと、味しみの良い肉じゃがになります。

ポイントは、煮込みすぎないこと。長く煮るほどじゃがいもは崩れ、お肉はかたくなります。竹串が通ったら火を止め、あとは余熱と冷ます時間に任せましょう。

牛肉と豚肉、どちらで作る?(比較表)

肉じゃがは地域や家庭によって、牛肉派・豚肉派が分かれる料理です。塩こうじはどちらとも相性がよいので、お好みで選んでください。

  牛肉(西日本で好まれることが多い) 豚肉(東日本・沖縄で親しみ)
味わい こっくりとコクが深い あっさりで旨みがやさしい
塩こうじとの相性 旨みを重ねてリッチな一皿に 脂のほんのりした甘みを引き立てる
こんな方に しっかりした味わいが好きな方 毎日の食卓・お子さんにも

沖縄では豚肉を使うご家庭も多く、豚バラや豚こまで作るとコクとやわらかさのバランスがとりやすくなります。牛肉なら切り落としで十分。どちらも薄切り肉に塩こうじの下味をつけておくのが、やわらか仕立ての近道です。

味しみ・やわらか仕上げの5つのコツ

1. お肉は先に塩こうじで下味 煮る前にもみ込んでおくと、やわらかさと旨みが段違い。10〜15分でも下味はしっかりつきます。

2. じゃがいもは面取りする 角を薄く削ると煮崩れしにくく、見た目もきれいに仕上がります。

3. 落としぶたで味を回す 少ない煮汁でも全体に味が回り、上下の味ムラを防げます。アルミホイルやクッキングシートでも代用できます。

4. いったん冷ます 煮物は冷める過程で味が染みます。火を止めて休ませる時間こそ、味しみの決め手です。

5. 翌日は温め直して 一晩おくとさらに味がなじみます。食べる前にやさしく温め直すのがおすすめです。

失敗しないための注意点

  • 塩こうじの入れすぎに注意:塩けがあるので、下味と煮汁で合わせて大さじ2程度を目安に。味をみて醤油を控えめに調整すると塩辛くなりません。
  • 炒める前に表面の塩こうじを軽くぬぐう:塩こうじは糖分を含むため焦げやすいので、下味の分を軽くぬぐってから炒めると扱いやすくなります。旨みはお肉に入っています。
  • 煮込みすぎない:長く煮るとじゃがいもが崩れ、お肉がかたくなります。竹串が通ったら火を止めましょう。
  • アクは丁寧に:煮立ちはじめのアクを取ると、澄んだやさしい味に仕上がります。
  • 下味は冷蔵庫で:常温に長く置かず、下味づけは冷蔵庫で行いましょう。

アレンジと保存の目安

塩こうじ肉じゃがは、味に奥行きがあるので、少しのアレンジでも表情が変わります。

  • 醤油こうじでコクを足す:仕上げに醤油こうじを少し加えると、和風の深い旨みがプラスされます。塩こうじと使い分けると味の幅が広がります。
  • カレー粉でアレンジ:残った肉じゃがにカレー粉を少々。翌日の変化を楽しめます。
  • コロッケの具に:じゃがいもをつぶして、リメイクのコロッケやおやきに。
  • お弁当のおかずに:味がしっかり入っているので、冷めてもおいしくいただけます。

保存の目安:粗熱をしっかり取り、清潔な容器に入れて冷蔵で2〜3日を目安に食べきるのがおすすめです。じゃがいもは冷凍すると食感が変わりやすいので、作り置きは冷蔵が向いています。

※保存期間は目安です。ご家庭の環境や衛生状態によって異なります。においや色に違和感があれば食べるのは控えましょう。

味しみ肉じゃがは、生の塩こうじから

沖縄で黄麹をつくる糀屋の、非加熱・無添加の塩こうじ。もみ込んで煮るだけで、いつもの肉じゃががやわらかく、旨みたっぷりに。

生塩こうじを見る 醤油こうじを見る

よくある質問

Q. 塩こうじ肉じゃがに、砂糖やみりんは入れなくていいですか?

A. 塩こうじの旨みと玉ねぎの甘みで、砂糖なしでもやさしくまとまります。照りとほんのりした甘みがほしいときは、みりん大さじ1が便利です。もっと甘みを足したいときは、砂糖の代わりに糀の糖を小さじ1ほど加える方法もあります。

Q. お肉はどのくらい塩こうじに漬ければいいですか?

A. 薄切り肉なら10〜15分でも下味がつきます。時間があれば冷蔵庫で30分〜1時間ほどおくと、よりやわらかく旨みが増すと言われています。漬けすぎても問題ありませんが、塩けが強くなるので煮汁の醤油を控えめに調整してください。

Q. じゃがいもが煮崩れしてしまいます。コツはありますか?

A. 煮崩れしにくいメークインを選び、切り口の角を薄く削る「面取り」をすると崩れにくくなります。煮込みすぎも原因になるので、竹串がすっと通ったら火を止めて、あとは冷ます時間で味を含ませましょう。

Q. 牛肉と豚肉、塩こうじ肉じゃがにはどちらが合いますか?

A. どちらもよく合います。牛肉はこっくりとコクが深く、豚肉はあっさりで旨みがやさしく仕上がります。沖縄では豚肉で作るご家庭も多く、豚こまでも手軽においしく作れます。お好みで選んでください。

Q. 塩こうじが焦げないか心配です。

A. 塩こうじは糖分を含むため焦げやすいので、下味に使った分は表面を軽くぬぐってから炒めると安心です。煮汁に加える塩こうじは水分に溶けるので焦げにくく、旨みと塩味の底上げに役立ちます。

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