塩麹で下味をつけた牛もも肉を、家庭でも安全にローストビーフへ仕上げる方法です。見た目や余熱だけで判断せず、中心温度計で温度と保持時間を確認することを前提に、下処理から切り方まで解説します。
安全上の重要ポイント
食品安全委員会は、家庭で一般的な牛肉を低温調理する場合、中心が63℃に達してから30分、70℃なら3分、75℃なら1分以上の加熱を案内しています。中心温度が上がるまでの時間は保持時間に含めません。
材料と牛肉の下処理
- 牛もも肉(ローストビーフ用ブロック):400g程度
- 生塩こうじ:40g(肉の重さの約10%)
- 黒こしょう:適量
- 油:大さじ1
肉の表面の水気を清潔なペーパーで拭き、塩こうじを全体に薄くのばします。保存袋に入れ、室温に放置せず冷蔵庫で1時間〜一晩を目安に漬けます。加熱直前に表面の塩こうじを軽くぬぐいます。
オーブンでの焼き方
- フライパンに油を熱し、肉の全面に焼き色をつける
- 予熱したオーブンへ移し、肉の最も厚い部分に中心温度計を差す
- 中心が目標温度へ達してから、63℃なら30分、70℃なら3分、75℃なら1分以上を保つ
- 加熱条件を満たしたら清潔な皿へ移し、切らずに休ませる
肉の厚み、初期温度、オーブンの性能で必要時間は大きく変わります。そのため「何分焼けばよいか」だけで判断せず、温度計で中心を確認してください。
中心温度と保持時間の考え方
| 中心温度 | 到達後に保つ時間 |
|---|---|
| 63℃ | 30分以上 |
| 70℃ | 3分以上 |
| 75℃ | 1分以上 |
出典:食品安全委員会「肉を低温で安全においしく調理するコツ」。特別な規格で管理された業務用原料向けの58℃条件を、家庭の一般的な肉へ流用してはいけません。
しっとり仕上げるコツ
- 塩こうじは薄く均一に:表面だけが濃くなるのを防ぎます
- 温度計を肉の中心へ:骨や天板に触れない位置で測ります
- 条件達成後に休ませる:安全な加熱を済ませてから切らずに休ませます
- 繊維を断って切る:肉の繊維に対して垂直に薄く切ります
保存と食べ方
できあがったら清潔な器具で扱い、食べる分だけ切ります。残りは室温に長く置かず、速やかに冷蔵して早めに食べてください。見た目、におい、ぬめりに違和感がある場合は食べません。
温度計を使うときの確認ポイント
- 肉の最も厚い部分を測り、温度計の先端が天板やフライパンに触れないようにする
- 設定温度ではなく、肉の中心が実際に到達した温度を見る
- 中心が目標温度へ達してから保持時間を数える
- 大きさや厚みが変われば、同じオーブンでも必要時間が変わると考える
食品安全委員会の解説では、63℃の湯へ入れた肉の中心が63℃へ上がるまでにも時間がかかる実測例が示されています。家庭では、レシピの加熱分数だけを写すのではなく、中心温度と保持時間を組み合わせて確認することが重要です。
二次汚染を防ぐ扱い方
生肉に触れた保存袋、トング、皿を、加熱後の肉へ使い回さないようにします。表面を焼くときのトングと、加熱後に取り出すトングを分けると安心です。手や調理台も洗浄し、切り分けには清潔な包丁とまな板を使います。
塩こうじの基本的な分量は塩こうじの使い方ガイド、ほかの肉料理は豚肉の塩こうじレシピでもご紹介しています。
よくある質問
Q. 中心57℃で仕上げてもよいですか?
A. 家庭で一般的に入手できる肉では推奨しません。中心63℃で30分、70℃で3分、75℃で1分以上など、食品安全委員会が示す加熱条件を守ってください。
Q. 余熱だけで火を通せますか?
A. 余熱だけを前提にせず、中心温度計で温度と保持時間を確認してください。
Q. 焼いたあとすぐ切ってもよいですか?
A. 必要な加熱条件を満たしたあと、切らずに休ませてから、清潔な包丁で繊維を断つように薄く切ります。
この記事の塩こうじ、あと29品の使い道があります
沖縄・那覇の糀屋がえらんだ生塩こうじの30品を、PDFでお送りします。材料・作り方・コツ・調理時間・カロリー・塩分まで入った、30品ぶんのレシピ集です。無料です。
受け取り方
友だち追加すると、合言葉のボタンが届きます。「塩こうじ」をタップするだけ。すぐ届きます。
登録は無料です。2,000人以上の方が友だち登録しています。
この記事を書いた人:沖縄で黄麹を仕込む仲宗根糀家です。低温調理に関する安全条件は、食品安全委員会の公表情報を優先して記載しています。



