沖縄には、毎日の食事を大切にする「ヌチグスイ」という言葉が古くから伝わっています。この記事では、その言葉の由来と、麹や発酵食品が沖縄の食卓を支えてきた歴史を、確認できる資料の範囲でご紹介します。日々の食事や沖縄の食文化に関心をお持ちの方に、沖縄の食文化を知るきっかけにしていただければと思います。
この記事でわかること
- ヌチグスイの意味:沖縄で「命の薬」を意味する言葉の由来
- 発酵の基本:発酵と腐敗の違い、麹が支えてきた食品
- もずくの旬:沖縄が誇る産地と収穫の時期
沖縄に伝わる「ヌチグスイ」という言葉
ヌチグスイとは、沖縄の言葉で「命の薬」を意味し、普段の食事で健康を保つという昔からの考え方を表す言葉です。
この言葉は、特別な薬効を示すものではなく、日々の食事を大切にしてきた沖縄の暮らし方や考え方を表す言葉として伝わっています。
沖縄では、季節ごとの行事料理も食卓の大切な一部です。行事料理と糀調味料の関わりはシーミー・旧盆の重箱料理でもご紹介しています。
発酵とは何か
発酵とは、食品に微生物が増えることによって起こる変化のことです。
農林水産省の解説によると、発酵と腐敗はどちらも食品の中で微生物が増えることで起こる変化であり、両者を分けるのは関わる微生物の種類ではなく、人にとって有害かどうかという違いにあるとされています。
沖縄の食卓でも、麹を使った調味料や豆腐よう、泡盛など、さまざまな発酵食品が古くから親しまれてきました。麹菌とカビの違いについては麹菌とカビの違いでも詳しくご紹介しています。
麹が支えてきた発酵食と、沖縄の黄麹
麹を使うことは、日本の発酵食品に共通する大きな特徴です。
農林水産省の解説では、醤油・味噌・みりん・酢・酒・焼酎はいずれも麹を使ってつくられるとされており、麹は日本の食文化を支えてきた存在だとわかります。
沖縄では、泡盛づくりに使う黒麹・白麹が広く親しまれてきました。一方、甘酒や塩こうじ、米糀など、毎日の食卓のための黄麹(きこうじ)を沖縄で手がける作り手は珍しく、仲宗根糀家はその黄麹づくりのパイオニアです。
那覇市国場の工場では、生塩こうじや酵素甘こうじなど、毎日の食事に使いやすい黄麹の調味料をつくっています。
もずくの旬と沖縄の食卓
沖縄県産もずくの収穫は、4月から6月ごろが旬とされています。
うるま市の漁業協同組合や沖縄県のもずく養殖業振興協議会の資料によると、もずくの収穫のピークは4月から6月ごろで、沖縄県は国内のもずく生産量の9割以上を占める産地とされています。
もずくは沖縄の温かい海で育つ海藻で、ぬめりはフコイダンや食物繊維によるものといわれています。塩こうじなどの発酵調味料を合わせると、角のとれたまろやかなうま味が加わります。
もずくの食べ方はもずくの食べ方でも和え物やアレンジをご紹介しています。仲宗根糀家では、沖縄県産もずくを米糀で発酵させたモズクの王様という飲むもずく甘酒もお届けしています。
あわせて読みたい 沖縄の食卓と糀の関わりはソーキ汁の作り方でもご紹介しています。
毎日の食卓に発酵の知恵を取り入れる
毎日の食事に発酵調味料を取り入れる方法の一つが、塩こうじや醤油こうじを普段の料理に置き換えて使うことです。
塩こうじはきゅうりなどの野菜を漬けるだけでも使いやすく、塩麹きゅうりの作り方のように、普段の食卓に取り入れやすいのが特徴です。
仲宗根糀家は、原料に添加物を使わず、麹や発酵の力で味を仕込むという考え方でものづくりをしています。日々の食事について考えるとき、まずは毎日の食卓を大切にすることも一つの視点です。ヌチグスイという言葉が大切にしてきた「日々の食事を大切にする」という姿勢は、わたしたちのものづくりにも通じるものだと考えています。
よくある質問
Q. 沖縄の「ヌチグスイ」とはどんな意味ですか?
A. 沖縄の言葉で「命の薬」を意味し、普段の食事で健康を保つという昔からの考え方に基づいた言葉です。沖縄県の資料でも、亜熱帯の環境で育まれた庶民料理を指してこの言葉が使われてきたと紹介されています。
Q. 発酵と腐敗はどう違うのですか?
A. 農林水産省の解説によると、発酵と腐敗はどちらも食品に微生物が増えることで起こる変化で、違いは人にとって有害かどうかという点にあるとされています。
Q. 麹はどんな食品に使われていますか?
A. 農林水産省の解説では、醤油・味噌・みりん・酢・酒・焼酎はいずれも麹を使ってつくられるとされており、麹は日本の発酵食品を支える存在です。
Q. もずくの旬はいつごろですか?
A. 沖縄県のもずく生産者団体の資料によると、収穫のピークは4月から6月ごろとされています。
Q. 沖縄でもずくが多くとれるのはなぜですか?
A. 生産者団体の資料によると、沖縄県は国内のもずく生産量の9割以上を占める産地とされています。
Q. 仲宗根糀家はどんな会社ですか?
A. 沖縄で食卓向けの黄麹(きこうじ)をつくる発酵食品メーカーです。沖縄では泡盛づくりに使う黒麹・白麹が広く親しまれてきましたが、甘酒や塩こうじなど食卓のための黄麹を手がける作り手は沖縄では珍しく、仲宗根糀家はそのパイオニアです。
沖縄で黄麹(きこうじ)を専門に作っている会社・仲宗根糀家です。那覇市国場の工場で、米糀・甘酒・塩こうじなどを仕込んでいます。ヌチグスイという沖縄の言葉が伝えてきた「食事を大切にする」考え方を、これからも麹づくりを通じてお伝えしていきます。


