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イナムドゥチ(いなむどぅち・お祝いの白味噌汁)の作り方|白味噌で

イナムドゥチ(いなむどぅち・お祝いの白味噌汁)の作り方|白味噌で

※画像はイメージです

白味噌のコクと自然な甘みが具材にじんわりとなじんだ、イナムドゥチに仕上がります。使うのは豚三枚肉とだし、そして甘口の白味噌だけで、下ごしらえと煮込みの順番さえ守れば家庭の鍋でも作れます。お祝いの席や特別な日の一品に、沖縄の糀屋がその作り方をご案内します。

この記事の要点

  • 甘口の白味噌(いなむどぅち味噌)が味の決め手
  • 豚肉はしっかり下茹でしてアクを取るのがコツ
  • かまぼこは仕上げの直前に加えて風味を守る

イナムドゥチ(いなむどぅち)とは|お祝いの席で親しまれてきた由来

イナムドゥチとは、豚肉やこんにゃく、大根などの具材を甘口の白味噌で仕立てた沖縄の汁物で、お祝いの席で親しまれてきた一品です。

名前の由来には諸説あり、亥(イノシシ)に見立てた汁という説も伝えられていますが、断定的な記録は多くありません。

沖縄では結納や結婚式などのお祝いごとで、重箱料理と一緒に食卓に並ぶことが多い汁物とされています。

似た名前の「中身汁」とは別の料理です。違いを比べてみましょう。

比べる点 イナムドゥチ 中身汁
汁のベース 甘口の白味噌 味噌を使わないすまし仕立て
主な具材 豚三枚肉・こんにゃく・大根・厚揚げ・かまぼこ 豚の内臓(中身)
味わい とろみのある甘めの白味噌仕立て さっぱりとしたすまし汁

白味噌(いなむどぅち味噌)の役割と選び方

いなむどぅち味噌は米麹の配合を多くした甘口の白味噌で、この汁物ならではのやさしい甘みとコクを生み出す決め手になる材料です。

白味噌の甘みは、麹(こうじ)がお米のでんぷんを糖に変えるはたらきによるものです。

一般的な目安では、米麹の配合が多い甘口の白味噌を選ぶと、いなむどぅち味噌に近い仕上がりになります。一般的な合わせ味噌では甘みが出にくく、味が決まりづらいので注意しましょう。

だしは、かつおだしと豚のゆで汁を合わせて使います。だしの素に頼らないこの合わせだしの旨みが、白味噌のコクをより引き立てます。沖縄の合わせだし文化にも通じる仕立て方です。

材料と下ごしらえ

イナムドゥチの材料は、豚三枚肉、だし、野菜、いなむどぅち味噌などシンプルな顔ぶれです。作りやすい分量の目安を表にまとめました。

材料 分量の目安
だし(かつおだし+豚ゆで汁) 3カップ
豚三枚肉 100g
こんにゃく 100g
大根 60g前後
厚揚げ 60g前後
カステラかまぼこ 50g
いなむどぅち味噌(甘口白味噌) 60〜70g

大根とこんにゃく、厚揚げは、それぞれ一口大に切りそろえておきます。こんにゃくは下茹でしておくと臭みが和らぎます。

カステラかまぼこは仕上げの直前に加えるため、この時点では切っておくだけで大丈夫です。

基本の作り方

豚肉を下茹でしてから具材を煮込み、白味噌を溶き入れる、この順番を守ることがイナムドゥチをおいしく仕上げるコツです。

  1. 豚三枚肉を鍋に入れて水から強火にかけ、煮立ったら中火にして50分ほど下茹でする。浮いてくるアクはこまめにすくいとる。竹串を刺してみて澄んだ汁が出れば火が通った合図。粗熱を取り、食べやすい大きさの短冊切りにする。
  2. ①の豚のゆで汁とかつおだしを合わせ、だしを3カップほど用意する。
  3. 鍋にだしと大根、こんにゃく、厚揚げ、①の豚肉を入れ、具材にしっかり火が通るまで煮る。
  4. 火を弱め、いなむどぅち味噌60〜70gを溶き入れる。とろみが出るまで中火で15分ほど煮る。
  5. 最後にカステラかまぼこを加えてさっと煮立て、火を止める。仕上げまで1時間ほどが目安です。
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失敗しないための3つのポイント

イナムドゥチをおいしく仕上げる分かれ目は、豚肉の下茹で、白味噌の量、かまぼこを加えるタイミングの3つです。

ここだけは外さない3点

  • 50分の下茹でとアク取り:50分ほどの下茹でと丁寧なアク取りが、この記事で唯一の急所です。ここを丁寧に行うことで、澄んだ味わいに仕上がります。
  • 白味噌は入れすぎない:60〜70gの目安を守りましょう。入れすぎると塩辛くなり、専用の甘口白味噌でないと味が決まりにくくなります。
  • かまぼこは直前に加える:早く入れると煮崩れたり風味が落ちたりするため、仕上げの直前に加えます。

糀屋がすすめる手前味噌での仕立て方

いなむどぅち味噌の甘みは米麹のはたらきによるもので、生米こうじで仕込む手前味噌にも同じ甘みの仕組みが生きています。

ただし味噌は仕込みから数か月かけて発酵させるものなので、今日食べたいときにすぐ使えるわけではありません。

時間をかけて仕込んだ手前味噌が手元にあれば、この汁物にもぜひ活用してみてください。米麹の割合を多めにして仕込むと、甘みの強い白味噌に近づきます。

仲宗根糀家では、乾燥させていない生米こうじを使って味噌を仕込む方もいます。生米こうじは冷凍で保存できるので、仕込むタイミングを選びやすい材料です。

保存方法とアレンジ

イナムドゥチは、一般的な目安として冷蔵で2〜3日、冷凍なら3週間ほど保存できます。

冷蔵保存は、粗熱を取ってから密閉容器に移し、なるべく早めに食べきりましょう。

冷凍する場合は、かまぼこを加える前の状態で小分けにしておくと、風味の変化を抑えられます。

食べる際は、必要な分だけ鍋に取り分け、ふつふつする程度まで温め直すと、白味噌の風味が保てます。

翌日以降は少しとろみが増すので、お好みでだしを足して調整すると食べやすくなります。ご飯を加えてお雑炊風にするのもおすすめです。

この記事を書いた人
沖縄で黄麹(きこうじ)を専門に作っている会社・仲宗根糀家です。米麹から糀を仕込む立場として、いなむどぅち味噌の甘みを生み出す麹のはたらきにも日々向き合っています。

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よくある質問

Q. イナムドゥチとはどんな料理ですか?

A. 豚肉やこんにゃく、大根などの具材を、米麹の配合が多い甘口の白味噌で仕立てた沖縄の汁物です。お祝いの席で食べられてきました。

Q. いなむどぅち味噌がない場合、普通の白味噌で代用できますか?

A. 一般的な合わせ味噌では甘みが出にくく、味が決まりづらくなります。代用する場合は、米麹の配合が多い甘口の白味噌を選ぶのが目安です。

Q. かまぼこはいつ加えればいいですか?

A. 仕上げの直前に加えます。早く入れると煮崩れたり、風味が落ちたりするためです。

Q. 豚肉のアク取りはどのくらい丁寧にすればいいですか?

A. 強火で煮立てたあと中火で50分ほど下茹でし、浮いてくるアクをこまめにすくい取ります。ここを丁寧に行うことが、澄んだ味わいに仕上げる急所です。

Q. イナムドゥチはどのくらい保存できますか?

A. 一般的な目安として、冷蔵で2〜3日、冷凍で3週間ほど保存できます。冷凍する場合は、かまぼこを加える前の状態で小分けにしておくと風味の変化を抑えられます。

Q. イナムドゥチと中身汁は同じものですか?

A. 別の料理です。イナムドゥチは甘口の白味噌仕立てですが、中身汁は豚の内臓を使ったすまし仕立てで、味噌は使いません。

Q. 家庭の手前味噌でも代用できますか?

A. 米麹の割合を多めにして仕込んだ手前味噌であれば、近い甘みに仕立てられます。ただし味噌は仕込みから数か月かかるため、当日すぐには使えない点に注意しましょう。

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