沖縄でなぜ黄麹(きこうじ)をつくり続けているのか、その理由と麹室で過ごす日々が分かります。泡盛文化で黒麹・白麹が主流の沖縄で、仲宗根糀家は甘酒や塩こうじなど食卓のための黄麹をつくる、数少ない工房のひとつです。沖縄の発酵食品や糀の背景に関心がある方、仲宗根糀家のことをもっと知りたい方に向けてお伝えします。
仲宗根糀家の黄麹づくり、3つの特徴
- 稀少な立ち位置:沖縄は泡盛文化で黒麹・白麹が主流。そのなかで食卓のための黄麹をつくる数少ない工房です
- 無添加:原料は国産米や塩など自然由来のものだけ。添加物は使いません
- 平日仕込み:糀づくりは月曜から金曜(祝日を除く)に行っています。土曜・日曜・祝日はお休みです
なぜ沖縄で黄麹か
沖縄では泡盛づくりに使う黒麹・白麹が主流で、甘酒や塩こうじなど食卓のための黄麹をつくる作り手は多くありません。仲宗根糀家は、その黄麹を沖縄でつくる数少ない工房です。
麹(こうじ)とは、蒸した米などに麹菌をつけて発酵させたもので、味噌・醤油・日本酒・甘酒といった日本の食文化を古くから支えてきました。麹そのものについては麹(こうじ)とは?種類とおいしさの仕組みでも解説しています。
麹には黄麹・黒麹・白麹などいくつかの種類があります。黒麹はクエン酸を多く生み出しもろみのpHを下げるため、雑菌の繁殖を抑えやすく、高温多湿な沖縄の酒づくりに適してきました。一方の黄麹は国菌に認定されているニホンコウジカビで、味噌・醤油・日本酒・甘酒など日本の食卓を古くから支えてきた存在です。仲宗根糀家では優劣をつけず、それぞれの麹に敬意を持ちながら、食卓のための黄麹づくりに取り組んでいます。黄麹と黒麹・白麹の違いは黄麹とは?黒麹・白麹との違いでもくわしくまとめています。沖縄における麹文化の広がりについては沖縄における麹の歴史と食文化もあわせてご覧ください。
黄麹に込めた想い
仲宗根糀家の黄麹づくりは、「人の身体は食べるものでできている」という気づきから始まりました。自身の体調と向き合うなかで、日々の食を見直す必要に迫られたことがきっかけです。
県外から取り寄せた糀で食を整えるうちに、沖縄にも沖縄生まれの糀がほしい、それがないのなら自分でつくるしかないという想いが募っていきました。そうして立ち上げたのが、那覇市国場にある糀の工房です。
工房でつくる糀調味料は、すべて無添加です。原料は国産米や塩など自然由来のものだけを使い、余計なものを入れないことを大切にしています。人の身体は食べるものでできている——この気づきが、仲宗根糀家の糀づくりの原点です。
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麹室の一日
仲宗根糀家の麹室が動くのは月曜から金曜まで(祝日を除く)で、土曜・日曜・祝日に糀の製造は行っていません。
糀づくりは、原料の米に麹菌を合わせるところから始まります。たくさんの米を手作業で混ぜ合わせ、温度と湿度を見極めながらじっくり発酵させていく工程には、何日もかけて向き合います。
米こうじづくりでは、火曜日と木曜日の夕方ごろに、仕込みから2日目にあたる切り返しの作業を行います。糀の中と外の状態を入れ替えるようにほぐし、まんべんなく発酵が進むよう手を入れる時間です。
販売店と事務所は土曜日も営業していますが、麹室が動くのは平日だけです。週末は、糀たちがじっくり発酵と向き合う静かな時間になります。
次の世代へ
仲宗根糀家は、糀と発酵のよろこびを次の世代へ手渡していきたいという想いを大切にしています。
黄麹は、味噌や醤油、日本酒、甘酒など、日本の食文化を古くから支えてきた国菌です。その伝統を沖縄の食卓につなげていくことが、仲宗根糀家の変わらない役割だと考えています。
これから糀のある暮らしを始めてみたい方には、生米こうじを使った基本の仕込み方をまとめた発酵食品づくりの初心者ガイドもあわせてご覧ください。糀と向き合う時間が、少しずつでも次の世代へつながっていくことを願っています。
この記事で使う糀
ここでご紹介した黄麹から、仲宗根糀家では生米こうじや生塩こうじなどの糀調味料をつくっています。原料は国産米や塩など自然由来のものだけを使った無添加の糀調味料です。
よくある質問
Q. 黄麹とはどんな麹ですか?
A. 黄麹は、味噌・醤油・日本酒・甘酒など日本の食文化を古くから支えてきた国菌で、正式にはニホンコウジカビといいます。仲宗根糀家では、この黄麹を使って甘酒や塩こうじ、醤油こうじなどの糀調味料をつくっています。
Q. 沖縄では黄麹は珍しいのですか?
A. 沖縄は泡盛づくりに使う黒麹・白麹が主流の土地で、食卓のための黄麹をつくる作り手は多くありません。仲宗根糀家は、その黄麹を沖縄でつくる数少ない工房のひとつです。
Q. 黒麹や白麹より黄麹が優れているのですか?
A. いいえ、優劣ではありません。黒麹はクエン酸を多く生み出しもろみのpHを下げるため、高温多湿な沖縄の酒づくりに適しており、泡盛の文化を支えてきました。仲宗根糀家は、それぞれの麹に敬意を持ちながら、食卓のための黄麹づくりに取り組んでいます。
Q. 糀は毎日手作業でつくっているのですか?
A. 仲宗根糀家の糀づくりは月曜から金曜(祝日を除く)に行っており、土曜・日曜・祝日はお休みです。工程の一部は機械の力も借りていますが、糀の状態を見極める場面では今も人の手と目を使っています。
Q. 麹室ではどんな作業をしているのですか?
A. 米に麹菌を合わせてから発酵が進むまで、温度と湿度を見ながら手を入れる作業を続けます。米こうじづくりでは、火曜日と木曜日の夕方ごろに製造2日目の切り返し作業を行い、糀の状態を均一に育てています。
Q. 黄麹づくりの想いを次の世代にどう伝えていますか?
A. 仲宗根糀家では、糀と発酵のよろこびを次の世代へ手渡していきたいという想いを大切にしています。これから糀のある暮らしを始めたい方に向けたガイドも公開し、糀と向き合う時間を少しずつ広げています。
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