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千切りイリチー(イリチャー)の作り方|切り干し大根と昆布の沖縄炒め煮を麹調味料で

千切りイリチー(イリチャー)の作り方|切り干し大根と昆布の沖縄炒め煮を麹調味料で

※画像はイメージです

切り干し大根と刻み昆布を、豚肉と一緒に炒め煮にする千切りイリチー(イリチャー)。沖縄の食卓で親しまれてきた郷土料理ですが、「おかぁ、おばぁの味になかなか届かない」という声をよく聞きます。この記事では、沖縄で黄麹をつくる糀屋が実際に作っている麹調味料の千切りイリチーを、実演動画つきでご紹介します。味付けは塩糀1:醤油糀2の合わせ調味料だけ。だしの素を使わなくても、乾物の戻し汁と糀の旨みで、しみじみおいしい一皿になります。

千切りイリチーとは|沖縄の「炒め煮」の定番

「イリチー(イリチャー)」は、沖縄の言葉で炒め煮のこと。細切りの昆布を使う「クーブイリチー」が有名ですが、切り干し大根を合わせた千切りイリチーも、家庭でよく作られる定番です。沖縄では切り干し大根が「千切り(せんぎり)大根」の名で親しまれていることから、この名で呼ばれるといわれています。乾物のもどし汁ごと煮からめるので、素材の旨みを丸ごといただけるのが持ち味です。

昆布の炒め煮は沖縄の行事料理にも欠かせない存在。だしの文化との関わりは沖縄の出汁文化と「合わせだし」入門でもくわしく紹介しています。

沖縄生まれ、沖縄育ちでも、沖縄料理を完璧に作れる人は少なくなってきました。材料も調味料もシンプルなのに、下処理のひと手間や、火加減と食材を入れるタイミングで味が変わってしまう——だから「おかぁ、おばぁの味」はむずかしい。うちでは、その入り口のハードルを麹調味料で下げられたらと考えています。何十年、何百年先も、うちなー料理(沖縄料理)が子どもたちに食べ継がれるように。この一皿も、そんな想いでInstagramに投稿したレシピです。

材料(作りやすい分量)

実演で使った材料は、たったの5つです。分量は袋の量や家族の人数に合わせて調整してください(小鉢でおよそ4〜5食分になります)。

材料

切り干し大根(乾):1袋(30〜40g入りが標準的です)
刻み昆布(乾・昆布千切り):ひとつかみ(10gほど)
豚肉(角切り):150〜200g(作りやすい分量の目安)
塩こうじ(塩糀):豚肉の下味用(肉200gなら大さじ1が目安)+合わせ調味料用
醤油こうじ(醤油糀):合わせ調味料用

合わせ調味料(実演の割合)

塩糀1:醤油糀2の割合でボトルに入れ、よく混ぜるだけ。この記事の一皿に使うのは大さじ2杯です。作り置きせずこの一皿分だけなら、塩糀小さじ2+醤油糀大さじ1と小さじ1で大さじ2になります。多めに作っておくと、炒めものや和えものにそのまま使えます。

塩こうじの大さじ換算は「塩麹 大さじ1は何グラム?」の早見表が便利です。

千切りイリチーの作り方(基本の手順)

一般的なイリチーは油で炒めてから煮ますが、実演では油を使わず、豚の脂と戻し汁で煮からめる作り方です。フライパンひとつで完結します。

基本の流れ

  1. 豚肉を塩こうじに漬ける:肉の重量の10%の塩こうじをもみ込んでおきます(30分ほどが一般的な目安です。置くほど旨みがなじみます)
  2. 合わせ調味料を作る:塩糀1:醤油糀2の割合で混ぜ合わせます
  3. 乾物を水洗いする:切り干し大根と刻み昆布を合わせて、水洗いを2回行います
  4. フライパンで水戻しする:洗った乾物をフライパンに移し、ひたひたの水で戻します。10〜15分ほど置いて、大根がふっくらしてきたら次へ(時間は一般的な目安です)。戻し汁は捨てずにそのまま使います
  5. 味付けする:合わせ調味料を大さじ2杯加え、しっかり混ぜて中火にかけます
  6. 豚肉を加えて煮からめる:塩こうじ漬けの豚肉を加え、色が完全に変わってからさらに2〜3分、汁気が軽く残る程度まで混ぜながら煮からめたら完成です(加熱は合計10〜15分が一般的な目安)
塩糀1に対して醤油糀2の割合で合わせ調味料を作る

合わせ調味料は「塩糀1:醤油糀2」。ボトルで混ぜて作り置きもできます

切り干し大根と刻み昆布を合わせて水洗いを2回行う

乾物は合わせて水洗いを2回。ここが「おばぁの味」に近づく下処理のひと手間です

味付けした乾物に、塩糀漬けの豚肉を加える

仕上げに塩糀漬けの豚肉を投入。煮からめれば完成です

おいしく作る3つのポイント

1. 乾物の水洗いは2回 ほこりや乾物特有のにおいが取れて、戻し汁がすっきりした旨みになります。洗いすぎると風味も流れるので2回が目安です。

2. 戻し汁ごと煮る 切り干し大根と昆布の戻し汁は、それ自体がだしです。捨てずにそのまま煮からめることで、だしの素いらずで味が決まります。

3. 豚肉は塩こうじ漬けにしてから 生の塩こうじの酵素が豚肉のたんぱく質を分解し、旨みのアミノ酸に変えてくれます。あとから加えても、やわらかく仕上がります。

糀屋のひとこと

塩糀1:醤油糀2の合わせ調味料は、うちなー料理と本当に相性がよい組み合わせです。塩糀の甘みと塩味が土台を作り、醤油糀が香ばしさとコクを重ねてくれる。イリチーのほかにも、チャンプルーや炒めものの味付けにそのまま使えます。

動画で確認する(実演)

当社Instagramで公開している実演動画です。水洗いから豚肉の投入までの流れを1分ほどで確認できます(タップで再生・音が出ます)。

この記事で使っている糀調味料

生塩こうじ・生醤油こうじ

沖縄・那覇で仕込んだ非加熱・無添加の生の糀調味料です。合わせ調味料も、豚肉の下味も、この2本で作れます。

生塩こうじを見る 生醤油こうじを見る

よくある質問

Q. クーブイリチーとは何がちがうのですか?

A. クーブイリチーは刻み昆布(クーブ)が主役の炒め煮です。千切りイリチーは切り干し大根を合わせるのが特徴で、大根の甘みと歯ごたえが加わります。

Q. 乾物の戻し汁は捨てなくていいのですか?

A. 捨てません。実演でも戻し汁ごとそのまま煮ています。切り干し大根と昆布の戻し汁はだしそのものなので、戻し汁ごと煮るからこそ味が決まります。

Q. 豚肉はどの部位がいいですか?

A. 脂の旨みが出るバラの角切りや、手に入りやすいこま切れで大丈夫です。どちらも塩こうじに漬けておくと、やわらかく仕上がります。

Q. 合わせ調味料は作り置きできますか?

A. できます。清潔なボトルや容器で混ぜて冷蔵庫に入れておけば、炒めものや和えものにすぐ使えて便利です。生の糀調味料なので、冷蔵保存で早めに使い切ってください。

Q. 味が濃くなってしまいました。どうすればいいですか?

A. 水を少し足してひと煮立ちさせれば調整できます。乾物の量に対して調味料が多いと濃くなるので、まず大さじ2から始めて、味をみて足すのがおすすめです。

Q. 子どもでも食べられますか?

A. 唐辛子などの辛みは使わないので、お子さんにも食べやすい味です。昆布はやわらかく煮えるまで、少し長めに火を通してあげてください。

Q. 作り置きやお弁当に使えますか?

A. 冷めてもおいしいので、常備菜やお弁当のすき間おかずに向いています。清潔な容器で冷蔵し、2〜3日を目安に食べ切ってください。小分けにして冷凍すれば2〜3週間ほど持ちます(いずれも家庭の常備菜の一般的な日持ちです)。

Q. 刻み昆布が手に入りません。代用できますか?

A. 早煮昆布を細く切って使えます。とろろ昆布は煮溶けてしまうので不向きです。切り干し大根だけで作っても、大根の甘みが立ったおいしい炒め煮になります。

生塩こうじの30品

生塩こうじの30品(PDFレシピ集の表紙)

沖縄・那覇の糀屋がえらんだ生塩こうじの30品を、PDFでお送りします。材料・作り方・コツまで入った、30品ぶんのレシピ集です。無料です。

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この記事は、沖縄で黄麹を専門に米こうじを作っている株式会社仲宗根糀家(沖縄・那覇)が、自社Instagramで実演した内容をもとに執筆しています。

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